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No.185(2013/7/19)
タイ・エレクトロラックス社での労使紛争

 スウェーデンの家電メーカーの多国籍企業であるエレクトロラックス社のタイ工場で、労使紛争が今年1月に発生した。これに対して親企業のスウェーデン・エレクトロラックス社とスウェーデン金属産業労働組合(IF Metal)、さらにはグローバルユニオンのインダストリオールとのトップ交渉を数ヶ月にわたり粘り強く行なっている。
 タイ・エレクトロラックス社は、タイ東部のラヨーン県で洗濯機や冷蔵庫など白物家電製品を生産(生産能力年100万台)している。IF Metalとインダストリオールに加盟しているタイ電子・電気機器・自動車・金属労働組合連合会(TEAM)は、2010年にラヨーン工場の組織化に取り組み、タイ・エレクトロラックス労働組合(ETWU)が2011年2月に結成された。しかし、現地経営者は労働組合の存在を無視してきた。
 タイ・エレクトロラックス社は2013年1月11日、ETWUの労働協約改定要求中に全従業員を集め、2ヵ月分の賞与支給を回答。しかし、労働組合が要求している賃金の引き上げや6ヵ月契約社員の正社員化などを拒否し、労働組合委員長を構外に追放した。さらに、これに抗議する組合員に対し、翌週127人の指名解雇を断行した。
 ETWUは解雇撤回闘争を組織し、タイ労働省やバンコクのスウェーデン大使館へデモする一方、上部団体のインダストリオールや、親企業を組織するIF Metalに支援を要請した。
 その後インダストリオールとIF Metalは、ラヨーン工場で解雇された労働組合指導者の完全職場復帰に向けて、緊密な連携を取り解決に向けて積極的に動いてきた。エレクトロラックス社との長期にわたる厳しい交渉の結果6月28日、解雇された労働組合指導者の職場復帰と告訴を撤回することで合意した。
 インダストリオールとIF Metalは、エレクトロラックス社の経営側との間で、[1]職場復帰への署名入り申請書により、会社は労働組合員に対する係争中の告訴をただちに取り下げること[2]すべての当事者は労使双方の対話により、労使関係の成熟に向けて努力すること[3]ラヨーン工場の労使をサポートする訓練を共同で行なうこと――などを、労使協定に付加することに合意した。
 インダストリオールとIF Metalは、今後もラヨーン工場での団結を強める活動を推進し、労働組合指導者への支援を展開していく。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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