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No.170(2013/4/9)
AFL-CIO トラムカ会長が労働運動の再構築を計画

 組合員の急速な減少に直面しているアメリカ労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)は、労働運動の再構築に向けて、市民権団体や女性の権利を主張するグループなど民主党内の自由主義者との連携を考えている。
 この点について、AFL-CIOリチャード・トラムカ会長は「労働運動は変革の時にある。企業経営者が組合員を決めるのでなく、われわれが組合員を決める。労働運動への参加を希望する人たちに手を差し伸べたい」と述べた。
 現在米国における労働組合は、極めて厳しい状況にある。公務員は各州議会が団体交渉権を削減しつつあり、労働運動の中心であった民間製造業部門でも組合員が大幅に減少している。昨年は40万人の組合員が減少し、若者も労働組合から離れている。4年前の民主党政権誕生により労働組合再生が期待されたが成果は得られず、移民問題など労働組合の間で異論の多い案件をめぐって、労働組合間に緊張さえ抱える状況になった。
 こうした中でトラムカ会長は「率直に言って、今の労働運動にはアメリカ人労働者のニーズに対応する力が欠けている。最近、唯一の成果は、オバマ大統領の年頭教書にうたわれた最低賃金の9ドル(約858円)への引き上げだが、満足すべき金額ではない。9月のAFL-CIO大会までの6ヶ月間に、一般組合員や若年労働者、学者、黒人層やヒスパニック層の代表、宗教団体、そして活動家などによる各種委員会での論議を通して、新たな労働運動の方向性を模索し、みんなが一致団結して進む方向を考えて行きたい」と強調した。

1ドル=95.406円(2013年4月4日現在)

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米国移民問題について労使がほぼ合意

 オバマ大統領が年頭教書で述べた米国の諸課題のひとつである移民問題について労使間の合意が成立する見通しとなった。
 労使協議は、アメリカ労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)と米国商業会議所との間で行なわれ、『移民法』改正案を起案する上院議員8人(民主党4人、共和党4人)を交えて折衝が続けられてきた。その結果、外国からの出稼ぎ労働者である非熟練の移民労働者(ゲスト労働者)については、企業側が40万人を主張したが、最終的には年間最高20万人の上限が設けられた。
 対象となる産業は、主にレストランやホテル、建設などだが、建設産業の中でもクレーン操作や電気工など、熟練度合いを要求される職種は適用除外となる。そして賃金は労働組合側の主張が受け入れられて、ゲスト労働者の賃金は該当職種の中位値ないし主流賃金水準よりは一段高く設定される。こうして企業側が必要な労働力を確保できる半面、労働組合側も移民による賃金低下の状況を回避できる事になる。
 具体的には、移民数は年間2万人からスタートして、最高でも20万人以内に抑えられるが、その数は失業率や求人数推移などの要素を勘案して年次ごとに決められる。また、従来ビザ取得者の転職を禁じていた規定を廃止して、転職を可能にする。
 さらには、米国内の不法移民1100万人についても、市民権供与の道を開きながら、国境警備の強化を図ることなどが盛り込まれた。法案は4月はじめに再開される議会で審議が始まる。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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