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No.167(2013/3/11)
ギリシャ政府の『緊急令』発動に労働組合が猛反発

 ギリシャの地下鉄労働組合は、1月25日、賃金カットに抗議してストライキを実施した。これに対してギリシャ政府は、軍事独裁下で制定された『緊急令』を発動し、機動隊がストライキを行なっている組合員を排除した。この法令に違反すると5年以上の投獄刑に処せられることになる。
 ギリシャのナショナルセンターであるギリシャ労働総同盟(GSEE)と公務員連合(ADEDY)は、政府に対して反発し闘いを強めていく姿勢を示している。
 ETUCベルナネット・セゴール書記長は、『緊急令』の発動に対して「労働者の権利を踏みにじるものである」として、ギリシャ政府を強く非難した。 
 また、ITUC シャラン・バロウ書記長は「地下鉄労働者のストライキは、賃金カットに対抗するだけではなく、現行の労働協約を無視し、政府に都合の良い新たな公務員の給与体系を導入することに反対する闘いでもある。政府の間違った政策は社会、経済に多大なる損害を及ぼすことになる。労働者を力で抑えこもうとすることは、社会不安、政治不信を招くだけである。『緊急令』によって労働者の活動を統制しようとすることは遺憾である」と述べた。

チュニジアの新しい国家建設で労働組合の役割に期待

 「アラブの春」のきっかけとなったチュニジア革命から2年を迎え、チュニジアでは2011年には初の民主的選挙が行なわれ、一歩一歩近代国家へと生まれ変わろうとしている。しかし社会状況は不安定で、失業や貧困の問題がさらに深刻化し、労使紛争も激化している。このような状況を背景に、人権、労働組合権の侵害や女性に対する嫌がらせが増加している。
 チュニジア労働総同盟(UGTT)は昨年12月、イスラム過激派により襲撃される事件が発生した。過激派グループは、労働組合リーダーやジャーナリスト、女性活動家、政治家を攻撃の標的にしている。
 しかし、このような厳しい情勢の中、近代国家建設に向け今年1月14日、社会契約が政労使の三者間で締結された。
 チュニジアのモハメッド・モンセフ・マルズーキ大統領は、2012年の第101回ILO総会で行なった特別演説の中で、社会正義がなければ民主主義は生き残れないと強調し、平和と安定性の防衛に向けた社会契約の締結を予定していることを公表し、調印式にはILOガイ・ライダー事務局長が招待された。
 その内容は、労使関係、社会保障、雇用、職業訓練政策について言及されているばかりではなく、社会正義に基づく民主主義への移行過程において、社会対話の重要性が強調されている。
 国際労働組合総連合(ITUC)は、社会契約の締結に関して、新しい国家建設においてUGTTの役割が認められたことはチュニジアの民主化に向けた第一歩であり、より良い社会建設のために、この契約が直ちに履行されることを強く要望すると表明した。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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