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No.157(2012/12/17)
労働金庫が国際シンポジウムを開催

 全国労働金庫協会と近畿労働金庫は、2012国際協同組合年事業として11月25日、大阪市で「劣化する世界の労働~その処方箋を探る~」をテーマに、ろうきん「ILO国際シンポジウム」を開き、労働組合、NPO・NGO、労金・労済関係者などの約400人が参加した。
 シンポジウムでは、国際労働機関(ILO)・サラサール雇用総局長が「岐路に立つ世界の労働」と題した記念講演を行ない、次いで連合・古賀会長が「『働くことを軸とする安心社会』に向けて」をテーマに現在の課題や今後の展望について提起した。その後、山本幸司中央労福協副会長をコーディネーターとして、サラサール雇用総局長・古賀会長の対談が行なわれた。
 サラサール雇用総局長は、「世界経済は2008年のリーマンショック後いったん回復したが、2011年には再び失速した。特に先進国で深刻な雇用危機に直面している。現在は経済の危機とともに構造転換時期にあり、各国が協調し合い、雇用に着目した景気回復策を展開する必要がある」と強調した。
 古賀会長は、「経済のグローバル化は、特に金融市場で新自由主義の規制緩和が行なわれ、実体経済と懸け離れた政策がとられてきた。ILOと労働組合は、いきすぎた新自由主義に絶えず警鐘を鳴らし続けてきたが、今こそ『連帯・助け合い』を重視し、人々が支えあう社会をめざす取り組みが必要だ」と訴えた。
 対談では2009年にILOが採択した「グローバル・ジョブズ・パクト(仕事に関する世界協定)」の考えを、各国政府とともに国際通貨基金(IMF)・世界銀行が注目し今年10月、世界銀行「世界開発報告2013」が、雇用に着目した政策提言を行なったことを評価する共通認識が示された。
 サラサール雇用総局長は、主催した労働金庫について「日本における労働者自主福祉運動の一環として設立され、勤労者を対象とした非営利協同の金融事業を60年以上にわたる事業継続にILOは注目し、2011年に調査報告書をまとめた。他の地域にとっても大変参考になる事例だ」と述べ、ヨーロッパにおいても協同組合金融はリーマンショックの影響が他の大手銀行よりも少なく、連帯経済発展の必要性を強調した。また、今年日本政府が作成した「日本再生戦略」について、成功すれば日本は再生できると評価した。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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