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No.154(2012/12/3)
オバマ大統領再選への労働組合の貢献と今後の政策

 共和党による労働組合攻撃を受けてきたウィスコンシン州やインディアナ州、オハイオ州などの労働組合は、オバマ大統領再選の結果に喜びを隠せない。特に大統領選の鍵となったオハイオ州やネヴァダ州、ウィスコンシン州では、労働組合の投票者動員の成果が出口調査で明確に示された。
 アメリカ労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)・トラムカ会長は「組合員の努力に感謝するとともに、オバマ大統領に期待する」とし、富裕者増税の実現や急激な財政の引き締めによる "財政の崖"問題による共和党からの社会保障や健康保険削減の圧力に屈しないよう求めると同時に、この点の組合員から地元議員への請願活動の強化を訴えた。さらにインフラ投資による建設分野の雇用創出や1100万人に上る書類不備の移民労働者の受け入れの整備、労働組合の組織化を容易にする諸法制の整備などを求めている。
 こうした法律には労働省が起案している、[1]組合潰しコンサルタント会社と当該企業との関係開示を義務付ける法案[2]労働組合結成時の組織化対象となる従業員の電話やEメールなどの情報提供を企業に義務付ける法案[3]政府との契約について労働条件が良好な企業の優遇措置法案――などがある。従来の労働組合の重点要求であった『従業員自由選択法』については、下院の共和党が依然優勢の中で、過度に要求しない姿勢に転じた。

ミシガン州労働組合の反撃

 アメリカ・ミシガン州の住民投票で労働組合と民主党が提案した法案は、団体交渉権の擁護や労働の権利法禁止を主張して州憲法改正を求めた全米自動車労組(UAW)などミシガン州労組の提案が、58%対42%で否決された。同時にサービス労組(SEIU)を先頭にして展開した、在宅介護労働者への団体交渉権付与の提案も57%対43%で否決となった。
 有識者たちは、有権者が議会の権限を越えた余りにも大きな権利を労働組合に与えることを躊躇った結果だろうと述べているが、もし承認されていれば、労働組合には全国的な反撃に出る大きなチャンスになるところであった。
 しかし、州地方自治体労組(AFSCME)が主導した、財政困難の自治体が非常事態責任者を任命して労働協約などを破棄出来るとする、従来法廃止の労組提案は52.3%対47.7%で支持されており、ミシガン州における労働組合の権利侵害に対する反撃の一部が成功した結果となった。

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