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No.150(2012/11/9)
労働権の擁護に向けて攻勢に転じるミシガン州の労働組合

 過去2年間、ウイスコンシン州やインディアナ州、オハイオ州、テネシー州などで、労働組合の権利侵害の動きに守勢一方だった労働界は、これらの州に隣接するミシガン州で全米自動車労働組合(UAW)を先頭に、労働組合の権利を確実にするための攻勢に転じた。
 ミシンガン州の労働組合と民主党は、11月6日の大統領選挙と並行して行なわれた住民投票に、公務員の団体交渉権の尊重や、議会による『労働の権利法』制定の禁止を明文化した『提案2』法案を提示した。
 この提案は大統領選挙と並び重要事項と認識されており、ミシガン州・スナイダー知事(共和党)や共和党は、「この提案が可決すれば企業誘致に影響する。また、住民投票で議会や知事の権限を制限する前例を作ることになる」と危機感を強めている。
 労働組合は、このほかに[1]財政危機に陥った州や市町村などの自治体が非常事態責任者(emergency manager)を任命して労働組合との協約を無効にできる現行の『非常事態法』の廃止[2]在宅介護労働者の労働組合結成権を認める州憲法改正などを提案している。
 『提案2』は重要度が高く巨額の資金が使われており、協力なキャンペーン宣伝も行なわれた。新聞社の世論調査によると、賛成43.2%、反対41.8%と拮抗した状況を受け、アメリカ教員連盟(AFT)ミシガン支部は、「ミシガンの住民は組合員で有る無しに関わらず、UAWの功績により今の生活があることを認識している」と発言。
 スナイダー知事は「財政破綻の自治体に協約無効の法律は不可欠であり、『提案2』が可決すれば、働かない教師の解任や公務員の20%の医療費負担もできなくなる」と述べ、労働組合に『提案2』の自粛を求めるとともに、共和党に対し『労働の権利法』制定についての自粛を働きかけている。
 共和党関係者は『労働の権利法』が制定されないと、企業投資は『労働の権利法』が施行されている隣のインディアナ州へ流れてしまうと懸念している。
 なお11月8日現在、開票途中で確定はしていないが、団体交渉権と『労働の権利法』に関する提案は、賛成41%、反対51%で否決の可能性が高く、非常事態責任者に関する提案は、賛成48%、反対52%の状況だ。
 最終結果が確定するまでには3週間程度かかる予定である。

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