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No.145(2012/9/28)
シカゴ教員労働組合のストライキ

 9月10日、ロサンゼルス、ニューヨークに次ぎ、米国で3番目に大きな学区を持つシカゴで、数ヵ月に及ぶ労使交渉が決裂し、シカゴ教員労働組合(CTU)がストライキに突入した。
 争点は賃金、雇用保障、業績評価などだが、特に合意できないのは生徒のテスト結果による教師の業績評価システムとレイオフの教員を他校に復職させる場合の決定権(校長、学区、労働組合)である。これにより、675学校の35万人の生徒とその家族が影響を受けており、ストライキ参加の教員数は3万人にのぼる。ただし、5万人のチャーター・スクール(公設民間運営校)の生徒は通常通り通学している。また、144の学校では学区が動員する教員により半日授業を行なっているが、そこではストライキの教員のピケを通らなければならない。
 シカゴの学校ストライキは25年前の1987年に起きた19日間ストライキ以来のことで、米国の主要都市での教員ストライキも6年ぶりのこととなる。これに対して、昨年学校教育の改善などを公約として当選した民主党・エマニュエル市長は「財政赤字の中で、シカゴ学区は4年間で16%の賃上げを求めている(教職員の平均給与は年間7万5000ドル)。私に関して問題を提起するなら、それをシカゴ市の子供たちに押し付けるようなことがあってはならない」と述べ、教員労働組合のストライキを批判している。
 他方、共和党・ロムニー大統領候補はこの機を逃さず「教職員労働組合の利害が子供たちを犠牲にする例をたびたび見せてきたが、今回もその良い例だ」と声明を発表した。
 今回のストライキが、かつてオバマ大統領の首席補佐官を務めたエマニュエル市長に向けられており、オバマ大統領にとって大統領選への影響が危惧される。
 シカゴ教員労働組合(CTU)は18日、ストの終了を決定し、新制度の受け入れ可否については、組合員の全員投票を実施する予定となった。これにより、市内の公立学校は19日から授業を再開した。

韓国の年収格差が各分野で拡大

 韓国の金融監督院は9月11日、韓国の会社役員の年収は一般労働者の15倍になるというデータを発表し、年収格差に対する関心を呼び起こした。売上げトップ100社の昨年の役員報酬は平均8億5000万ウォン(約5800万円)で、雇用者の年間平均賃金5700万ウォン(約396万円)をはるかに上回った。
 年収格差はハイテク巨人のサムスン電子が最も大きく、一般社員の年収が平均7800万ウォン(約540万円)に対し、役員報酬は109億ウォン(約7億5800万円)となっている。韓国最大の自動車メーカーである現代自動車では、一般労働者の年間賃金は平均8900万ウォン(約619万円)で一般労働者の中で最も高い水準であるが、役員報酬はその24倍の21億ウォン(約1億4600万円)。
 金融規制局は、「賃金格差は会社間でも存在し、雇用者300人以下の中小企業の賃金は大企業の60%にすぎない」と語っている。中小企業(従業員5~299人)の6月の賃金は平均265万ウォン(約18万4000円)に対し、大企業(従業員数300人以上)の平均賃金は417万ウォン(約29万円)で、会社間での富の奪い合いを意味している。
 2012年の全国最低賃金は時間当たり4580ウォン(約318円)で、雇用労働省は来年の最低賃金を4860ウォン(約338円)にする方針だ。
 食糧農林水産省の2011年の調査によると、農業従事者の年間平均所得は都市労働者世帯の所得の59.1%で、所得格差は拡大している。
 1980年代半ばまでは、農業従事者は都市労働者世帯の所得を上回っていた。農業従事者所得の対都市勤労者所得比は1985年では112.8%と上回っていたが1995年には95.7%、2005年には78.2%へ落ち込み、ついに6割を割りこんだ。食糧農林水産省は、都市労働者の賃金は年々改善されているが、農業従事者の賃金は改善されないままだったことが格差拡大の原因と分析している。
 2005年から2011年で比較すると、都市労働者は3902万ウォン(約271万円)から31%増加し、5098万ウォン(約354万円)に増えたのに対し、農業従事者は同期間で3050万ウォン(約210万円)から3015万ウォン(約200万円)へ縮小した。これは農業にかかる費用が増加したことが原因となっている。例えば、米の価格は80キロ当たり2000年が15万7000ウォン(約1万900円)、2010年が16万ウォン(約1万1000円)と安定しているのに対し、肥料の価格は一袋5000ウォン(約347円)から1万1000ウォン(約765円)に倍増した。
 

1ウォン=0.0696円(2012年9月25日現在)
参考資料: KOILAFニュース

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