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No.144(2012/9/26)
カリフォルニア州議会が公務員年金改革法を承認

 リーマンショック以来、財政が悪化した米国地方自治体では公務員の年金削減に踏み込みはじめている。すでに今年6月に、カリフォルニア州のサンディエゴ市とサンノゼ市で公務員の年金を削減することを目的とした住民投票を実施し、可決された。
 一般的に公務員の給与や年金、医療保険は民間労働者に比べて優遇されており、州の財政を圧迫しており、この問題を解決すべく、公務員給与や医療保険、年金の水準低下や自己負担額の増額を実施しようとする地方自治体に公務員労働組合が反発している状況にある。
 公務員年金基金に約5000億ドルの滞納を重ねているカリフォルニア州では、民主党のブラウン知事が提唱し、多数派の民主党議員とも協議を重ねてきた『公務員年金改革法』案が、上院38対1、下院48対8で承認された。
 州財政の悪化による予算削減として、小・中学校などの授業日数の削減や一部高校の閉鎖、小学校の美術や音楽の授業の廃止、教室定員の25%増員などの事態に直面している教職員労働組合は、この年金法案の実現を強力に支持してきた。
 法案の内容は、年金支給年齢を現行の50歳から52歳への引き上げ(警官や消防士などの公務員は50歳を維持)と2013年1月からの新規採用者への年金保険料の半額負担、現行の公務員へは5年以内に半額負担への協約改定、一部の法外な年金の廃止などである。これにより今後30年間に州および郡、各市町村を含めて500億ドル程度の節減が図れると予想されているが、共和党の一部ではより強硬な手段を要求する声もあがっている。
 カリフォルニア州・ブラウン知事は、巨額の財政赤字を補うために今年11月、富裕税増額と消費税の4分の1%の上乗せを住民投票にかけているが、年金改革法案の実現で住民の理解を得ることを期待している。

アメリカン航空の労働協約、連邦倒産裁判所が破棄を認める

 2011年11月に倒産し、『連邦破産法』の下にあるアメリカン航空に、9月4日連邦倒産裁判所は現行の労働協約の破棄を認めた。
 これにより、会社側が提示した年金凍結などのコスト削減による事業再編案を、8月中旬に組合員の投票で拒否したパイロット労働組合(7500人)は、再考を迫られることとなった。同労働組合以外の乗務員労働組合、整備士労働組合などの地上勤務員労働組合は、すでに会社との交渉に入っている。
 アメリカン航空は、今後USエアーウエイズとの合併を含め、財政を圧迫している航空機のリース契約見直しなどの事業再編案を協議するが、労働組合との交渉が最も困難な課題となっている。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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