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No.129(2012/6/21)
児童労働反対世界デー

 国際労働機関(ILO)は、「児童労働をなくすことを世界に呼びかける日」として、6月12日を児童労働反対世界デー(World Day against Child Labour)と定めており、最悪の形態の児童労働の撤廃をめざしている。 
 日本でもNGOや労働組合が会員となっている、「児童労働ネットワーク(CL-Net)」は5~6月を「児童労働反対世界デーキャンペーン」期間と位置づけ、[1]イベントの開催[2]児童労働なくそう署名[3]啓発活動――などを展開している。
 この中で、CL-NetとNGO-労働組合国際協働フォーラム、ILO駐日事務所は6月10日、「児童労働反対世界デーキャンペーン」のメインイベントとして、児童労働についての演劇上映会(コンゴの戦う子どもたち)とシンポジウムを6月10日に開き、市民や学生など約570人が参加した。
 このイベントは、毎年6月12日の「児童労働反対世界デー」に合わせて開かれているもので、今年のテーマは「子どもたちの未来の話をしよう」。
 イベントを主催しているNGO-労働組合国際協働フォーラムとCL-Netに加盟している国際労働財団(JILAF)は、インドとネパールで実施している「児童労働撲滅のための学校プロジェクト」の活動内容をパネル展示し、現地の児童労働の現状を紹介した。
 最初のセッションでは、コンゴの子ども兵士を描いた演劇(コンゴの戦う子どもたち)や実際に「子ども兵士」として闘っていたミシェル・チクワニネさんの基調講演。「子ども兵士」とは世界の紛争地域で、反政府軍やゲリラに誘拐され、戦闘員として育てられた子どものこと。ミシェルさんは、コンゴ民主共和国の紛争に巻き込まれ5歳で「子ども兵士」として働かされ、毎日殺戮を強要された。ミシェルさんは「僕が5歳の時、親友を殺すよう命じられ、少年兵として働かされた。悲しい話だがこれは真実だ…この問題を解決するため、さまざまな児童労働の現状を伝えるイベントや講演会などを実施し、世論に訴え、行動を起こすことが重要だ」と訴えた。
 続いて、ILO・上岡駐日代表から、児童労働の現状報告や児童労働問題に取り組んでいる団体による「子どもの権利が守られる世界をめざして」をテーマとしたパネルディスカッションが行なわれ、[1]子どもへの教育機会の提供や両親の収入安定による貧困問題の解決[2]地域、コミュニティー、セクターを超えた協力[3]地域レベルなどの議員や企業への働きかけの重要性[3]紛争や人権侵害、貧困の問題を個別の問題ではなくトータル的に考えること――など、1人ひとりの声が結果を生み、少しずつ世界を変えていくなど、児童労働問題について情報を共有した。

上岡代表からの報告

世界の児童労働者数
  • 児童労働者数は、2億1500万人。2004年の2億2000万人と比較すると減少しているが、15~17歳の児童労働者数は、5200万人から6200万人と20%増加傾向にある。
地域別児童労働者数
  • 5~17歳の子どもの児童労働者数は、サハラ以南のアフリカで4人に1人、アジア太平洋地域で8人に1人、中南米・カリブ地域で10人に1人――と憂慮すべき状況にある。
危険有害業務に従事する児童労働者数
  • 代表的な最悪の形態の児童労働である危険有害業務に従事する子どもの数は減少しているが、未だ1億5000万人の子どもが危険で有害な仕事に従事している。
最悪の形態の児童労働
  • 最悪の形態の児童労働とは、ILO条条約第182条で定義してある18歳未満の児童がかかわる[1]人身取引、債務奴隷、強制労働、強制的な子ども兵士[2]売春、ポルノ製造[3]麻薬の生産・密売などの不正な活動[4]子どもの健康・安全・道徳を害し、心身の健全な成長を妨げる危険で有害な労働――とされている。
発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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