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No.128(2012/6/14)
東日本大震災における労働金庫の取り組み

 <ろうきん>の名で知られる労働金庫は、北海道から沖縄まで全国13の地域で、労働者に金融サービスを提供している。各地の労働金庫では、東日本大震災に被災した労働者の生活再建と復興支援を目的に、さまざまな支援制度を立ち上げている。
 被災地となった東北労働金庫(本部:宮城県仙台市)は、震災直後に「特別災害ローン」(無担保・不動産担保)を立ち上げ、被災による住宅や車両の修理・改修、入院や治療費など、労働者の生活再建に必要な資金を低利(0.8~1.5%、保証料別)で融資し、本年5月末までに8458件、249億8900万円を融資した。
 この他、中央労働金庫(本部:東京都千代田区)では、特別融資制度とともに、被災した利用者に対し、一定期間の返済猶予、利息の返戻や延滞利息の免除などを実施した。さらに、近畿労働金庫(本部:大阪府大阪市)では、預金利息を被災者支援に取り組むNPOに寄付する『復興支援定期預金「サポートV」』を創設し、趣旨に賛同する労働者から161億850万円の預金を結集し、今後10年間で約1億6800万円を寄付する見込みだ。
 働く人のための金融機関として、労働金庫による金融サービスを通じた支援制度は、全国で展開されている。

全労金による復興支援活動

 労働組合による復興支援の取り組みも行なわれている。全国労働金庫労働組合連合会(全労金)は、全国の労働金庫・関連会社および労働金庫協会・労働金庫連合会で働く労働者で構成する産業別労働組合(2012年5月末現在で組合員数8996人)だ。全労金は、震災直後に「全労金対策本部」を設置し、組合員とその家族の安否確認をはじめ、労使共同の支援カンパ・物資支援、被災店舗を中心とした業務支援の実施、連合救援ボランティアへの派遣など、全国の単組・組合員とともに支援活動に取り組んできた。
 全労金独自の活動として、昨年10月から展開している「全労金復興支援」を2例紹介したい。
 一つは、「除染ボランティア」だ。福島社会福祉協議会と連携し、福島市大波地区の小学校や病院の敷地内などで、土のう詰めや埋め戻し、落ち葉拾いなどの清掃作業を毎週行なった。この活動には全国の単組から47人が参加した。目に見えない放射線とたたかいながら、地元の方々や子どもたちが安心して暮らせる環境を整えたいという思いから、参加者は汗を流した。「市外に避難した人も多くいるが、除染が進めば帰ってくる」という地元の方の声を励みに、今後も支援活動を続ける。
  もう一つは、「福島応援セット」の販売だ。風評被害で苦しむ福島を支援する目的で、全国農団労の加盟組織である「会津いいで農協労働組合」と連携した。同農協が扱う地場の農産物を詰め合わせた「福島応援セット」(単価:1セット4000円)を、全国の組合員に斡旋販売する取り組みだ。昨年12月には「会津米2キロ、会津牛肉400グラム、会津柿3個」、本年2月には「喜多方ラーメン8食、会津米2キロ、会津牛肉400グラム」を用意し、各1000セット、計 2000セットを販売し、800万円を売り上げた。この売り上げの一部が、会津いいで農協労働組合を通じて、東日本大震災義援金として地元に役立てられる。
 同農協労働組合・笠間委員長からは「風評被害がある中で、全国に会津の農産物をPRする機会を頂き、大変ありがたい」と感謝され、地元紙にも紹介された。全労金・河野書記長は、「除染活動も物品購入による支援も、継続と参加が必要。引き続き組合員に協力を呼びかけていきたい」と語る。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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