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No.121(2012/4/30)
東日本大震災における産業別労働組合の支援活動(情報労連)

情報労連の統一ボランティア行動
 情報通信産業で働く仲間たち22万人が結集した情報産業労働組合連合会(情報労連)は、「東日本大震災」の被災地三県でスタートした「連合・救援ボランティア」が昨年の9月末で終了したことから、独自のボランティア活動である[1]復興支援フェスタの開催[2]宮城県東松島市の月島海岸周辺清掃活動[3]岩手県大船渡市の清掃活動[4]岩手県山田町漁協再生支援(復興カキオーナー募集)――などの被災地の復旧・復興支援を展開してきた。その活動のひとつである「岩手県山田町漁協再生支援」について報告する。

岩手県三陸やまだ漁業協同組合への復興・再生支援
 岩手県山田町の殻つき養殖カキは出荷量日本一の町の特産品であった。少なくとも昨年の3月11日までは――。しかし、「東日本大震災」による巨大津波は、養殖に必要な船舶、養殖イカダ、はえ縄、減菌装置をはじめ、水産加工施設などすべてを破壊した。その被害総額は一部のメディアが10億円とも15億円とも伝えている。
 山田町の沼崎喜一町長は情報労連・自治体議員団の一員であり、情報労連は震災直後から、沼崎町長の要請により、緊急支援物資を同町に届けるなどの支援活動を行なっていた。その後、沼崎町長から、情報労連に、カキ養殖への支援要請があり、情報労連・災害対策本部で検討した結果、「再生支援」の実施を決定した。この取り組みは沼崎町長の要請に基づくものだが、多くの組合員から「何かできないか」「ボランティアには行けないが、協力できることはあるはず」との声が多数寄せられていたことから、仲間の思いを一つの支援として形にしたもの。

復興カキオーナー制度
 この取り組みは、「三陸やまだ漁協のカキ養殖産業の復興・再生支援」と雇用確保につなげることを目的に、賛同金方式による「カキオーナー制度」であり、募集は1口5000円で1人何口でも可能。賛同者には、三陸やまだ漁協から「オーナー証書」が送付される。カキの養殖には、2~3年かかることから、2013年の春以降にオーナーの手元に1口20個のカキが届く仕組みだ。ただし、災害や異常気象などによるカキの育成不良・死滅によって出荷できなくても賛同金は返金されない。この取り組みは、あくまで、「復興支援」であり、その趣旨に賛同いただけることが応募の前提となるが、約4ヵ月間の募集期間に、多くの組合員と退職者などがこの取り組みに賛同した。

取り組みの成果
  情報労連・加藤委員長は本年2月9日、岩手県山田町役場を訪れ、「復興カキオーナー」の賛同金7700万円(第一次集約分)を沼崎町長、漁業や役場関係者、地元マスコミなどが出席する中、三陸やまだ漁協・生駒理事長に手渡した。
 これを受け、生駒理事長が、「情報労連の多大な支援に感謝する。2~3年後には間違いなく皆さんの元にカキを届けられるように努力していく。皆さんからの善意は、一日も早い養殖設備の復旧などに使わせてもらい、再び殻つきカキ生産量日本一の山田湾を取り戻す」と謝辞と決意を述べた。このようすは、毎日新聞岩手版、岩手日報で紹介されている。
 なお、情報労連としての集約額は、1億5537万円となった(4月26日現在)。

おわりに
 情報労連は、こうした復興支援が地域の特産品の生産再開につながり、地域経済の活性化や、漁協組合員など、水産関係者の雇用と生活を守り、カキ養殖産業の再生に向けて大きな原動力となることを確信している。そして、2~3年後に届く予定のカキを見て、山田町の復興の前進をともに感じあいたい。
 被災地では、息の長い支援が求められており、今後も被災地のニーズに基づく、復旧・復興支援活動に全力で取り組むこととしている。

発行:公益財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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