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No.113(2012/3/8)
Playfair 2012の取り組み
はじめに
 労働組合やNGOの呼びかけを受け、サッカー・ワールドカップで児童労働によって作られたボールの使用禁止など、スポーツイベントでの子供・労働者の人権に配慮した取り組みが進展している。今回は、スポーツイベントに対する国際的な人権キャンペーン「Playfair」について報告する。
 
Playfairとは・・・
 Playfairは、オリンピックやサッカー・ワールドカップなど、スポーツイベントに携わる企業に対し、「労働者の権利保護やディーセント・ワークの確保」を求めるキャンペーンだ。連合が加盟する国際労働組合総連合(ITUC)もその一員として名を連ねている。
 今年7月のロンドン・オリンピックに向けては、「Playfair2012」が組織され、オリンピックのロゴ入りウェアやグッズを生産・販売する企業が、生産拠点であるアジア各国の工場労働者の「労働基本権」を順守するよう求め、キャンペーンを展開している。
 
6問のクイズ
 さて、Playfair2012は、学生・生徒用の啓発ツールとして、主に繊維・服飾産業についてのクイズを提供している。皆さんにも挑戦していただきたい。
 
 1.スポーツウェアやグッズが、一番多く作られている地域は?
 a.ヨーロッパ、b.アメリカ合衆国、c.中国、ベトナム、インドネシアなど、アジア諸国
 
 2.ランニング・ベストの小売価格のうち、労働者への配分は平均で何%?
 a.10~15%、b.5~7%、c.1~3%
 
 3.IOC(国際オリンピック委員会)は、オリンピックグッズを製造している企業に、児童労働や強制労働を行なわないよう求めている。
 a.事実である、b.違う
 
 4.中国のスポーツウェア工場で働く労働者の毎月の時間外労働は何時間か?
 a.100時間、b.130時間、c.36時間
 
 5.スポーツウェア産業に働く繊維労働者に女性が占める割合は?
 a.75%、b.96%、c.68%
 
 6.インドネシアの繊維労働者の最低賃金の月額は?
 a.70.09£、b.105.60£、c.140.18£
 
クイズの解答から分かること
 クイズの解答には、それぞれを理解するためのサマリーが付けられている。
 
 1.。30年ほど前までは、スポーツウェアは、消費される国・地域で生産されたが、企業は、グローバル化のもと、安い労働力と緩い規制を求めるようになった。
 
 2.。50%は小売業者に、25%は市場調査やデザイン料、13%は材料や工場の経費、11%は物流関連。多くの女性労働者は、たった1%しか手にできない。
 
 3.
 
 4.。法定は、36時間。北京オリンピックの時、グッズの帽子を製造していた労働者は毎月130~160時間もの時間外労働を強いられた。
 
 5.。工場の経営者や責任者の多くが男性であり、女性への性的・精神的ハラスメントが問題化している。女性の多くは母親で、少ない賃金で家族を養っている。
 
 6.。インドネシアで、労働者とその家族の食料、住居、衣服、医療を賄うのに必要な金額の半分にしかならない。
 
 この他にも、短期での雇用どめや安全衛生などの問題が存在していると言う。
 
ロンドン・オリンピック成功に向けて
 現在、Playfair2012は、ロンドン・オリンピック組織委員会およびスポンサーに対し、すべての人々のディーセント・ワーク確保に向け行動するよう求めている。この中では、組織委員会、アディダス、ナイキ、ペントランド(水着のスピード)、グッズ製作会社は、国際労働基準を順守すること。また、労働者への侵害が発生した場合には、労働組合や地域の労働監督署とともに、問題を解決することなどが含まれている。
 ロンドン・オリンピックまで、あとわずか。残された時間は少ないが、Playfairの要求が実現し、本当に誰もがオリンピックを楽しめるよう、私たちにもできることはある。
 その一つが、Playfair2012のサイトにアクセスし、前述した3企業への「eAction」に署名すること。そして、この現実を多くの人に広めることも重要な取り組みだ。
発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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