バックナンバー

No.108(2012/2/17)
AFL-CIO新たな広告でイメージ一新へ
 アメリカ労働総同盟・産業別労働組合会議(AFL-CIO)は、労働運動のイメージを一新させるため、150万ドルの費用をかけて、新たな広告を作成した。
 以前の広告は「労働組合に加入することで労働者の発言力を高める」ことを強調した内容であったが、新たな広告では経済格差抗議運動(オキュパイ運動)から学んだ点を活かすことや支持政党である民主党の「公正な所得配分と労働者の権利」を訴えており、意図的にストライキの映像は避けている。
 テレビ広告では、ゼネラルモーターズやゲーツ財団を担当した広告制作会社に依頼し「ひとつの労働がみんなを繋ぐ」とすべての労働者を代表していることを強調している。
 AFL-CIO・シューラー財政事務局長は「労働組合は企業に対する効果的なチェック機能だと多くの人々が認識している。しかし時代に即した活動ばかりでなかったことを反省しなければならない」と語った。
 米国商工会議所は、AFL-CIOの新たな広告について「労働の価値について疑問はない。しかし、労働組合に加入するかどうかは別問題。経営側に問題があれば労働組合に加入して問題解決を図ることもあるが、そのような問題に直面していないのが現状だ。この広告では労働組合への印象は何も変わらない」と述べた。
 米国の労働組合組織率は1983年の20.1%から年々低下し、2011年度の組織率は昨年よりさらに0.1%低下し、11.8%、組合員総数は1475万人となっている。組織率を公務員部門と民間部門で比較してみると、[1]公務員部門では緊縮財政の影響で6万1000人が減少、組織率37%・組合員数は755万人[2]民間部門では建設・医療分野での組織化・組織拡大により11万人増加、組織率6.9%・組合員数は720万人――となった。
 米国での組合員数は20年以上にわたり減少傾向にあったが、2007~2008年度は前年と比較して増加に転じている。その後、景気後退の影響もあり、2009~2010年度は再度、減少となったが、2011年は4万人の増加に転じた。労働界では組合員数が2011年度に再度上昇したことを受け、下げ止まりを期待する声があがっている。
 AFL-CIOでは、労働組合を承認する割合が民主党支持者78%、共和党支持者では26%と二極化していることから、組織率の低下を重要課題と位置づけ、組織化・組織拡大に取り組んでいる。
労働規約の両党合意で連邦航空局の予算承認
 米国の航空行政では、労働規約をめぐる民主・共和両党の対立から、2007年以降の航空局予算が認められず、22回も暫定予算による運営が続いてきた。そのため2011年度は連邦航空局(FAA)の4000人の職員と7万人の建設労働者が一時解雇される事態となった。
 しかし上院で大勢を占める民主党の院内総務と下院で多数を持つ共和党の院内総務が1月19日、労働規約について合意し、予算全額の承認と航空行政の長期的な再編計画などが可能になった。
 米国では鉄道および航空業界の『労働法』である、『鉄道労働法』が1926年に制定され、この法律を運用するために「全国調停委員会(NMB)」が設立された。NMBは長年の慣習として「労働組合の承認では職場従業員の中で賛否の投票をしない者は反対と見なす」としてきたが、民主党が「賛成か反対かは投票総数の過半数で決定される」と規定したことにより、共和党が態度を硬化させ、予算が承認されなかった。
 しかし共和党は「労働組合の設立に対する承認・非承認投票の開催には35%の同意が必要」としてきた現行規定を「50%の同意」に変更し、「労働者の代表は労働組合ではなくてもよい」とした妥協案を民主党が了承したことで予算承認にこぎつけた。
発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
Copyright(C) JILAF All Rights Reserved.