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No.97(2011/12/28)
インドネシア鉱山労組94日間のストライキ終結
 世界最大の金鉱山、世界第2位の銅鉱山であるインドネシア・パプア州にある「グラスベルグ鉱山」での長期にわたるストライキが12月14日、ようやく終結した。
 この労使紛争は、高度4000mという厳しい条件ながら低賃金で働く約1万人の労働者が賃金や処遇改善を要求し、94日間ストライキに突入したことによるもの。この鉱山を運営するのは米国系企業の「フリーポートマクモラン社」。これに対するのは、全インドネシア労働組合総連合(KSPSI)に加盟する「フリーポートインドネシア労働組合」である。
 この労使紛争はインドネシア政府の介入もあり、[1]ストライキに参加した労働者は、期間中の3ヵ月分の賃金を補償[2]会社はストライキ参加者に対して懲戒を実施してはならない[3]会社は健康保険の提供、住居、教育手当、交代手当、ボーナスを固定給として支給――等の内容で妥結し、協定を締結。この結果、グラスベルグの鉱山労働者は、2011年10月から24%、2012年10月より13%の賃金を引き上げることとなった。
 ストライキに参加した鉱山労働者の時給は、2.13ドル(170円)~2.54ドル(200円)ほどの低賃金であった。妥結した2年間で37%の賃上げは組合要求(今年、時給4.5ドルとし、2012年に3ドル上積み)と比較すると低い数値となったが、インドネシア政府の仲介も有り、「労働者の人権や生活のことを考え妥結した」と労組交渉委員の一人は語った。
 フリーポート社はこのストライキ中、操業率が5%に落ち込み、供給契約を果たすことができず、大きな打撃を受けることとなった。労使合意に基づき、12月17日より操業は再開された。
インディアナ州共和党・民間労組弱体化の法案制定に動く
 インディアナ州は2011年2月、議会で大勢を占める共和党が公務員の「団体交渉権」を制限させる州法、『団体交渉権制限法』を成立させようとした。これに反対した少数派の民主党議員は法案通過を阻止するため、議会開催に必要な3分の2の出席要件を逆手にした欠席戦術を展開。さらに知事による警察力を使った強制登院を避けるため、隣のイリノイ州に逃避して、法案を撤回させた。
 しかしインディアナ州・共和党は、南部を中心に22州で施行されている『労働の権利法』を2012年1月の議会に法案を上程すべく動き出した。この法律は労働組合が締結した「労働協約」の適用を受けている民間企業の一般従業員に労働組合加入および組合費の納入を任意とするもの。導入の理由は、雇用創出のため企業誘致の必要性として、労働組合の力を弱体化させることが目的とされている。
 なお、公務員の『団体交渉権制限法』を成立させたウイスコンシン州では州知事のリコール運動が展開されている。また同様の法律を施行したオハイオ州では13万人の反対署名を集めて実施された住民投票で同法が否決されている。
発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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