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No.78(2011/6/16)
韓国自動車部品企業で労働争議発生
 韓国・アサン市(ソウルから南へ100km)には、現代自動車・アサン工場が操業している。この現代自動車の主力工場にディーゼルエンジンのピストンリング部品などを供給している、ユースン社で労働争議が発生した。
 この労働争議の経緯は2009年に結ばれた労働協約で、[1]けがや事故の多い夜勤をやめ、昼勤2交替制にする[2]賃金の月給制――などを2011年1月より導入することとなっていた。その後、具体的な実施方法について労使協議を重ねてきたが、2011年5月17日・18日の最終交渉でも合意ができず、韓国金属労組(KMWU)はストライキ行動に対する批准投票を実施。その結果、78%の賛成でストライキ権を確立し、18日の午後から2時間のストライキを決行した。
 しかし会社側は同日夕刻にロックアウトを宣言し、約30人の暴力団で会社を包囲し、夜勤者を工場に入れない対抗策を実行したが、昼勤者の応援で夜勤者は何とか会社に入ることができた。その2時間後、労働組合が糾弾集会を開いていたが、会社側が雇った暴力団がクルマで突っ込み、13人が負傷し、犯人は逃走した。その後の警察の調査で車内から発見された名刺には、「スト破りと借家人追い出しの専門家」と記載されていた。
 また、ロックアウトの間、KMWUが見つけた会社の文章には「長期的な組合つぶしの計画」が記載されていた。それによると組合にストライキをさせ、会社はロックアウトを実施、暴力団で会社を固め、暴力を引き起こし、工場に警察を引き入れ制圧するというものであった。
 また、5月19~24日、約500人の組合員が会社の“組合つぶし”に抗議するため構内に留まったが、機動隊によって暴力的に排除された。KMWUは同じような組合つぶしが他の自動車部品企業やバレオ、マンド、KEC、サンシンブレーキで起こっているとしている。
 ユースン社は韓国の4つの大手自動車メーカーに部品を納入している重要なサプライヤーであり、売上高は2億2200万ドル(176億円)で純利益は1100万ドル(8億8000万円)となっている。
新「欧州産業労組連合」結成への動き
 欧州労連(ETUC)に加盟する欧州の3大欧州産業別労連は、欧州レベルの統合に向け最終的な作業に入っている。
 2011年4月13日付で発出された書記長共同署名文書では3組織統合による共通のメリットとして「産業労働者の声をより強めることができることにある」として、新「欧州産業労組連合」の結成によって、[1]3連合の資源と機動力の結集[2]地盤強化さらに労働組合の活性化を押し進める絶好の機会になる――としている。「数こそ力なり」であり、政策面においては欧州連合(EU)諸機関においては、産業労働者の強力な声を背景に折衝することができる。さらに統合によって企業レベルでの労使交渉や労使関係においても産業労働者の力を相対的に強めることになる。また共通の欧州従業員代表委員会(EWC)を通じサプライチェーンにおける労働者間の協力と連帯を強化することができる。3つの欧州産業別労連は統合問題作業委員会の報告をそれぞれの執行委員会ですでに承認している。産業政策や気候変動、団体交渉については3組織による共同行動が始まっている。欧州レベルにおける産業別労連の統合は当該GUFの統合と密接不可分の関係にあるが国際レベルの統合については2012年6月が統合大会開催案としてあがっている。
 
 

「欧州産業労働者組合連合」結成参加組織

欧州繊維被服皮革労連(ETUF:TCL)
 組織人員:ヨーロッパ40ヵ国、70組合、約100万人 本部:ベルギー・ブリュッセル

欧州金属労連(EMF)
 組織人員:ヨーロッパ34ヵ国、75組合、約550万人 本部:ベルギー・ブリュッセル

欧州鉱山化学エネルギー労連(EMCEF)
 組織人員:ヨーロッパ35ヵ国、128組合、約250万人 本部:ベルギー・ブリュッセル

参考資料:ETUF:TCL、EMF,EMCEF,ETUCのホームページ

発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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