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No.58(2011/1/20)
韓国の雇用・労働省が労使関係は安定と発表

 韓国の「雇用・労働省」は1月10日、「2010年の労使関係は1998年通貨危機以来、最も安定した」と評価し、国内労働争議を以下のように分析した。
 2010年の労働争議件数は86件で、2009年の121件より28.9%減少し、ストライキによる労働損失日は51万1000日となった。これは1998年以来最も少なく、前年の62万7000日に比較して18.5%の減少となった。さらに直近の3年間の労働者1000人あたりの労働損失日は30.2日となっており、OECD加盟国平均の34.7日より少ない。
 雇用・労働省によれば、労働争議の件数は理性的な交渉により減少し、社会的な大きな影響を与える大争議も減少傾向。自動車や鉄道のような主要産業の賃金交渉もストライキ無しで解決した。
 ナショナルセンター別に労働争議件数を見ると、ほとんどの労働争議は韓国全国民主労働組合総連盟(KCTU)に所属する職場で起きており、76件・88.4%がKCTU傘下の組合で起き、韓国労働組合総連盟(FKTU)に加盟する組合での争議は9件、独立系組合では1件という結果であった。
 産業別に見ると、38件・44.2%が社会・人事サービス部門で、30件・34.9%が製造業部門(自動車、部品、機械、化学、電子部品)となっている。規模別に見ると、49件・57%が299人以下の職場となっており、37件・43%が300人以上の職場で争議が起きている。総じて、大企業や製造部門の職場では争議件数は減少傾向だが、中小企業ではそれほど変わってないといえる。外資系企業における労働争議は12件で2009年の22件と比較し45.5%減少した。
 職場や地域における「労使協力宣言」の件数は2007年749件、2008年2574件、2009年2672件と増加し、2010年には4012件となり過去最高の件数となった。
 雇用・労働省の担当者は「今年は複数労組制度の実行やタイムオフ制度の導入があり、紛争解決のマネージメントが労使関係の中心的課題である。しかし中小企業や社内下請け企業に新しくできた小規模な労組との新たなタイプの対峙に制度的に対応する必要性があり、雇用・労働省は労使関係安定へ、特別チームを編成して最大限の努力を行う」と述べた。
 以上が韓国の労働事情であるが、最後に触れているように、現代自動車やGM大宇自動車における社内下請け企業の非正規社員の直接雇用(正社員として)への要求で、非正規社員の組合が団体交渉を求めて2010年12月、ストライキやハンガーストライキを実施したが、現時点では解決していない。

参考資料:国際労働協力院(KOILAF)ニュース

発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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