バックナンバー

No.55(2010/12/9)
UNI世界大会で高島屋 鈴木社長があいさつ

 国際産業別労働組合組織(GUF)の一つであるUNI(Union Network International「本部スイス・ニヨン」)は11月9~12日、第3回UNI世界大会を長崎市で開き、世界87ヵ国から2000人を超える代議員やオブザーバーが参加した。開会式では菅首相のビデオメッセージによる歓迎あいさつや日本労働組合総連合会(連合)・古賀伸明会長、国際労働組合総連合(ITUC)・シャラン バロウ書記長、長崎県・中村法道知事、長崎市・田上富久市長、UNI日本加盟組織連絡協議会・桜田高明議長、UNI・ジョーハンセン会長からも歓迎と連帯のあいさつが行われた。
 次に「Breaking through=突破」をスローガンとする世界大会では、「グローバル枠組み協定」を2008年に日本の企業としては初めて締結した、百貨店大手の高島屋・鈴木弘治社長から企業の社会的責任についてスピーチがあった。
 大会の重要議題の一つとしてとりあげられた「平和」については、「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会(ICNND)」・ギャレス エバンス共同議長やノルウエーの人道支援組織ピープル エイド(NPA)・フィン エリック トーレセン代表の基調講演を受け、平和活動についてさまざまな議論が展開された。また大会参加者は「平和行動」の一環として大会会場の長崎県立総合体育館から平和公園まで街頭行進に参加した。夕闇の平和公園で開かれた平和集会では各地域組織(アフリカ、南北アメリカ、ヨーロッパ、アジア・太平洋)の代表者から平和への誓いが宣言された。
 最終日の役員選挙では新会長にアジア太平洋地域組織(UNI-Apro)会長であるジョー デブリュン氏(オーストラリア商業流通関連労組)が選出され、フィリップ ジェニングス書記長は再選された。次回の第4回世界大会は2014年に南アフリカ・ケープタウンで開催され、長崎大会採択の行動計画の進捗状況が検証される。

<グローバル枠組み協定とは>

 多国籍企業と当該企業の労働者を代表する労働組合およびUNIのような国際産業別組織との間で締結する企業の行動規範に関する労使協定をいう。その目的は多国籍企業が国際労働組織や産別も含めて、ともに社会的責任を推進するというもの。高島屋との「グローバル枠組み協定」の締結式は2008年11月スイス・ニヨンにあるUNI本部で行われた。協定の署名者は株式会社高島屋、高島屋労働組合、日本サービス・流通労働組合連合、UNIの4者の代表者による。その主な協定項目には、社会的パートナーシップの枠組み、地球環境、職場・地域社会のおける人の尊厳・基本的人権に関する共通認識などが含まれている。UNIが「グローバル枠組み協定」を締結している企業は、世界に600店舗以上をもつドイツの小売業「Metro」、フランスの通信最大手「フランステレコム」やデンマークの銀行「Danske Bank」など約20社。「インドネシアテレコム」とは2010年9月にグローバル協定を締結している。同様の枠組み協定締結キャンペーンは他の国際産業別組織でも行われている。国際金属労連(IMF)とドイツのフォルクスワーゲン、国際建設林業労組連盟(BWI)とスウェーデンの家具チェーン「IKEA」との間でもそれぞれグローバル協定が締結されている。

シンガポールで60歳以降の賃金カット廃止

   シンガポールでは長い間、会社員の年齢が60歳となり、その後働き続けると10%の賃金カットが慣習として行われてきた。労働組合は「この慣習は差別的だ」として雇用主を説得し、この慣習が見直されようとしている。金属産業や化学産業などの7つの労働組合はこの数ヵ月、「60歳以降の賃金カット慣習を廃止する」という労働条件向上のため、経営側と交渉を重ねた。
 今年度は34000人の労働者が60歳となるが、もはや賃金カットはされることはなく、この労働条件向上の証人となるだろう。こうした改善は法によってなされるのではなく、シンガポールのナショナルセンターであるシンガポール全国労働組合会議(NTUC)のリム・スウィ・セィ事務局長とガン・キム・ヨンシンガポール人材相による経営者への勧説によって行われた。
 いくつかの協約では、60歳以上の労働者は実績ベースで賃金が維持されることになった。金属労組はすべての協約から差別処遇の条項を削除した。これは11000人のシニア労働者にとって朗報である。シンガポール空港サービス労組は2010年12月で60歳以降の労働者の賃金カットは終了し、2010年1月からカットした賃金は復活させることとした。
 他の労組、例えばシンガポール銀行従業員組合やDBS銀行スタッフ組合、シンガポールテレコム労組等も差別条項を削除した。化学産業労組も同じく同条項の削除で石油化学業界に働く4500人のシニア労働者に朗報をもたらした。
 永年のシンガポールの60歳以降賃金カットの慣習は、1999年に62歳まで定年延長がなされたときにはじまり、『定年退職法』は60歳以降の賃金カットを認めた。NTUCの副事務局長であるヘン・チー・ハウは、「あらゆる産業の多くの企業がこの慣習を廃止すべく労組と協議する弾みになった」と語った。

 参考資料:IMFニュース

発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
Copyright(C) JILAF All Rights Reserved.