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No.54(2010/12/3)
国際労働協力院(KOILAF)・パクインサン運営委員長講演会
パク運営委員長の回顧録である
  『労働運動ひとすじ』

 国際労働財団(JILAF)と国際労働協力院(KOILAF)との定期交流を11月15~19日、東京で開き、KOILAFから運営委員長をはじめとする代表団が参加した。
 また、パク運営委員長が2009年12月に自身の労働運動40年間の回顧録である「ウェチュルタギ」を韓国で毎日労働ニュースから出版しており、今回の代表団の来日に併せ、この回顧録の日本語版を『労働運動ひとすじ』と題してJILAFが出版を行った。
 定期交流のプログラムのなかでも11月17日、パク運営委員長による「労働運動40年、私の闘争と希望」と題した出版記念講演会を開き、各労働団体をはじめ行政関係など約100人が参加した。
 主催を代表してJILAF・髙木理事長は「パク運営委員長は大韓造船公社の非正規労働者の処遇改善から労働運動を始めた方である。その後、金属労連委員長をはじめ、韓国労働組合総連盟(FKTU)の委員長や国会議員を務めた後、現在はKOILAFの運営委員長として活躍されている。また、日韓労働運動の友好関係発展のため大変にご尽力されており、今回の講演会を日本と韓国の労働運動の歴史を共有し合う場としていただきたい」とあいさつ。
 また、韓国からFKTU・チャンソクチュン委員長とキムジョンガク政策局長、カンソンチュン国会議員も講演会に駆けつけた。
 パク運営委員長の講演会では、(1)大韓造船公社の非正規闘争(2)金属労連での活動(3)FKTU委員長時代と通貨危機(4)第16代国会議員活動(5)国際活動(6)日本の労働組合との協力関係――などについて述べた。会場からは「労働法と安全規格部法の再改定を求め、もう一つのナショナルセンターである韓国全国民主労働組合(KCTU)との共同闘争はどのように成し遂げたのか」などの質問が出されていた。

現代自動車で下請け労働者が直接雇用を要求し闘争

 韓国の高等裁判所は11月12日、現代自動車アサン工場の企業内下請けの労働者だった7人に対し、現代自動車と直接雇用契約を結べると判決を下した。これは下請け企業の派遣労働者でも継続して2年以上雇用された場合は、直接雇用に処遇されるという次の判例に基づいたものである。
 最高裁判所は7月22日、現代自動車のウルサン工場に働く下請け企業の労働者から訴えられた裁判で、「下請け派遣労働者でも2年以上雇用されれば、事実上は契約雇用者の管理監督の下で働いていたことになり、契約雇用者(現代自動車)に直接雇用されるべき」との判決があった。
 韓国金属労組(KMWU)は「これらの判決は企業内の下請け派遣労働者でも契約雇用者は雇用責任があるということを確認でき、極めて意義のあるもの」と評価している。この7月の判決が出てすぐに、現代自動車の下請け労働者を組織するKMWUは会社に対し直接雇用にするための団体交渉を要請。しかし現代自動車は「KMWUは団体交渉の当事者ではない」という理由で団体交渉を拒否した。
 KMWUは11月4日、「企業内下請け派遣労働者で2年以上雇用されている場合は、正規の仕事に就かせ、賃金差額を補償せよ」と主張し、訴訟を起こした。下請け派遣労働者の賃金は直接雇用労働者の賃金と比較して50%~60%程度である。金属労組は11月5日、現代自動車に団体交渉に応じるよう国家労使関係委員会に仲裁の申し立てを行った。また組合は11月11~12日、ウルサンとアサンの工場で非正規労働者組合員がストライキ権批准投票を行い、スト権を確立。その後、現代自動車・アサン工場で約300人の下請け労働者の組合員らがストライキを制止しようとした警察機動隊と揉み合い多くの負傷者が出ており、警察の発表では49人が拘束される事態となった。
 闘争は工場の自動車シートラインを下請け派遣労働者が占拠してはじまり、組合員は下請け新会社との契約を拒否し、賃金引き上げや雇用保障を求め、正規労働者の地位を現代自動車に要求した。しかし現代自動車は「生産には影響がない」としており、組合の要求を拒否している。

 参考資料:IMFニュースおよび国際労働協力院(KOILAF)ニュース

発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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