バックナンバー

No.51(2010/11/1)
ブラジルにおける労組リーダーの殺害

 ITUCとブラジルの加盟組織は10月5日、フィリップス社を退職し、金属労組の指導者であったオーグスト・マ・クルツ48歳が、ソニーブラジル工場の前で暗殺されたことに強く抗議をした。
 ITUCが得た情報によると10月1日、オーグスト・リマ・クルツはマナウスにあるソニー工場に派遣されていた警備員ヘマニ・プガ・ネトにより射殺された。目撃者によると、ヘマニは同僚の警備員に守られ逃走しており、事件後工場は操業を停止している。この事件のため、殺人・誘拐捜査の特別組織であるDEHSが予備調査に入っている。ITUCはブラジル・ルーラ大統領に書見を送り、[1]殺人事件解決にあらゆる手段を講じること[2]責任者を明らかにすること[3]民主国家ブラジルにおいて労働者の基本的権利が守られること――などを要請した。
 最後にITUC・バロウ会長は「ラテンアメリカにおいて組合リーダーの暗殺はこれが最後としたい」と強調した。

参考資料*ITUC・IMFニュース

世界最大のEMS企業フォックスコン社インドで労使紛争

   iPhonesやiPadなどのアップル社製品やソニーやデル、ノキア製品を電子機器受託生産(EMS)しているフォックスコン中国社の自殺者事件は記憶に新しいが、今度はインドで労使紛争を起こしている。チェンナイにあるフォックスコン・インド社の労働者は賃上げと23人の組合員の職場復帰を要求して闘っている。
 フォックスコン・インド社の経営側はインド中央連合(CITU)に属するフォックコン・インド・ソジララール・サンガム労組(FITS)の要求を無視したため、同労組は2010年9月22日から闘争に入った。

具体的な経過は以下の通り。

[1] 9月8日、1800人の正規従業員のうちFITSに所属する1500人がフォクスコン・インド社の経営に賃金改善要求交渉とストライキ予告を伝えた。しかし、会社は別組織のフォックスコン・インド・ソジララール・ムネトラ・サンガム労組(FITMS)が与党DMK党寄りのLDP連合に加盟し協定を結んだ。

[2] 2010年9月22日よりFITSは1500人がストライキに突入。その半数は女性労働者。約6000人の契約労働者や訓練労働者はピケのため工場には入れなかった。その日の夕方、フォクスコン・インド社の経営はFITSと9月27日に交渉に入ることを地方労働委員会の同席する中で約束したのでストライキは中止された。

[3] しかし9月23日、フォクスコン・インド社はFITMS労組と合意に達した文書を示し、もうFITSと話し合う必要はないと発表しただけでなくストライキに参加した労働者の賃金を8日分カットすると発表した。

[4] これに対抗し、FITSは9月24日、ストライキ行動に入った。経営側は警官を使い1500人の労働者と解雇通知を受けていた活動家23人を逮捕した。

[5] 絶えることなく会社に圧力をかけた結果、9月27日に会社はようやく交渉のテーブルについた。しかし、会社は依然としてFITSの要求に応じていないので闘争は続いている。

 主たる労組の要求は[1]CITU連合の統一賃金要求は、正規従業員が月額221ドル(約19000円)に改善すること。現行賃金は4年の勤続者で106ドル(約8700円)にすぎない[2]23人の職場復帰――などである。

参考資料:IMFニュース

発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
Copyright(C) JILAF All Rights Reserved.