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No.44(2010/9/3)
インドネシアの労働者が社会保障の改革を要求

 インドネシアの労働組合の共闘組織である社会保障改革委員会(SSRC)に属する数千人の労働者が7月29日、首都ジャカルタの国会前で社会保障制度と健康保険の改革を求めてデモを行った。
 デモの参加者は午前9時から焼け付く太陽の下、国会に召集されている議員の注意を引くべく、大型トラックの上から旗やプラカードを掲げ、スローガンを叫び、演説をがなり立てた。労働組合の要求は、企業ベースではあるが、国が管理している既存の社会保障制度の改革である。社会保障改革委員会はインドネシアの労働運動の中から誕生し、インドネシア金属産業労働組合連盟(FSPMI)・サイド・イクバル会長が代表を務めている。
 イクバル会長は、「インドネシア労働運動は社会保障制度の改革を推進し、労使から拠出した資金は国が管理するのでなく、信託基金が管理すべきだ。“ジャムソステック”と呼ばれる現在の制度は限られた労働者だけに適用されている。短期間で変わる労働者は退職時には少ない資金しか残されていない。すべての部門の労働者に適用される年金制度を持つべきだ」と述べている。
 イクバル会長によると、今回のデモンストレーションは3日めで、7月29日の朝の抗議集会は国会に強力な印象を植え付けた。国会の前でタイヤが燃やされ、火の手が上がった時にはデモ参加者とセキュリティスタッフとの間でこぜりあいがあったが、すぐさまFSPMIのリーダーが間に入り,逮捕を免れた。
 これまで、SSRCは大統領と4人の担当大臣を相手に社会保障問題で提訴しており、2回のヒアリングが持たれたが、出席したのは大臣のみであった。2010年8月2日、裁判所はヒアリングを再開し、大統領が出席すると期待されているが、イバクル会長は「大統領の出席が実現したら、歴史的なできごとである」と語った。

発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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