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No.39(2010/6/30)
世界最大のEMS企業フォックスコン中国工場で自殺者続出

 iPhoneやiPadなどのアップル社製品、ソニーやデル、ノキアの製品を電子機器受託生産(EMS)している世界最大のEMS企業であるフォックスコン中国社の1工場で12人の労働者が自殺を図り、10人が死亡した。最先端の工場で何が起きているのか謎が多い。フォックスコンは中国全土に20の工場を有し、従業員数は80万人に達する巨大企業である。同社は労働条件の改善もせずに、「労働者に自殺してはならない」との誓約を強要している。この深セン市にある台湾資本工場で長時間労働や低賃金という凄まじい労働が12人の労働者を圧迫し、このうち10人が犠牲となった。
 しかし、同社のあるマネジャーは「会社の遺族補償をもらうために自殺したのではないか」との考えを示唆した。このニュースが世界を駆け巡ると、同社は“20%の賃上げ”を約束したがいまだに実現していない。中国でのフォックスコンの賃金は最低賃金レベルである月140ドルで、労働者は稼ぐためには残業せざるをえない状況である。フォックスコンでの従業員の自殺事件は電子サプライチェーンにおける労働者に掛かる重いプレッシャーであり、すなわち労働者の健康を犠牲にした長時間労働や大量生産、低賃金という重圧感を目立たせた。
 これらのプレッシャーは製品を依託しているソニーやヒューレット・パッカード、ノキアなどのブランド各社がコストカットや納期短縮を要求することが原因である。国際金属労連(IMF)・ユリキ書記長は「フォックスコンでの自殺事件以来、ノキアのように労働者を保護するため、サプライチェーンにおける生産条件を見直すと公に表明したことは良い方向だ。IMFは引き続き大手の電子機器企業と労働者保護に向けて話し合い進めていく」と述べた。
 IMFはNGOのグッド電子ネットや他の労組と連帯し、電子サプライチェーンにおける人権と生産の両立を追求していく。また、IMFは「グッド電子ネットがフォックスコンに自殺の背景分析と原因糾明の要求」を支持している。

参考資料:IMFニュース

バングラデシュの児童労働問題

 バングラデシュの児童が危険で有害な労働に従事していることはたびたび問題となっているが、児童労働に従事している弱い立場に置かれている子どもたちを保護する解決策がない。しかし、現在は警鐘をならすべき段階にきている。
 バングラデシュでは産業化が進み、正規および非正規産業部門で児童労働者に従事している子どもたちが、この需要にあわせるかのように増加している。しかし、この国では児童労働者数を把握するための調査はされてこなかったが、政府統計局は過去に2002~2003年にかけて「第1回全国児童労働調査(NCLS)」を行い、その結果、児童労働者数は490万人であることが明らかとなった。その後、政府およびNGOもこの国の児童労働の状況を把握するいかなる調査も行っていないため、最新の統計がない。ある専門家によると「有害・危険な仕事に従事している児童は700万人にのぼる」と推定している。これらの児童は主に[1]都市部の工場[2]運輸[3]バッテリー・リサイクリング[4]零細事業所[5]製靴[6]家事手伝い――などの仕事に従事している。
 国際労働機関(ILO)・在バングラデシュ担当官によると、「ILOは2016年までに世界から最悪の形態の児童労働をなくすための計画がある」と述べているが、しかし、このILO目標を達成することは極めて困難と予測されている。 
 この問題の解決には総合的な対策とアプローチが重要であり、[1]政府[2]事業関係者[3]国際諸団体――などの協力があって実現されるものである。しかし、「ILO182号条約」に盛り込まれている「最悪の形態の児童労働を無くす」ことは障害も多く、[1]信頼すべき統計がないこと[2]中央や地方政府、事業関係者、NGOなどの協力[3]有害な児童労働とは何かの政府による定義がないこと――などが指摘されている。また、ILOやユニセフ、国際NGOの“セーブ・ザ・チルドレン”の活動は国際団体や機関がそれぞれ別々に展開しており、こうした挑戦に対処する統合した協力活動が見ることができない。
 現政権党であるアワミリーグの選挙マニフェストにある児童労働問題にシェイク・ハシーナ首相は強い関心を持っているが、今のところ重要な政治的関与を示していない。
 なお、政府は2010年3月に「全国児童労働政策」を発表しており、この政策が児童労働問題のさらなる前進となることを期待されているが、積年の根深いこの問題は政府が主導してあらゆる関係機関や組織、団体などの結集なしにはこの行動計画が無意味なものとなってしまうかもしれない。

発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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