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No.16(2010/1/15)
国際労働組合総連合(ITUC)・国際人権デー

 連合が加盟する国際労働組合総連合(ITUC)は国際人権デーに当たり、声明を発表した。「労働組合運動にとって、2009年は特別な年となり、団結権と団体交渉権に関するILO第98号条約(1949年採択)の60周年という記念すべき年でもある。団体交渉権は不平等を縮小し、賃金を引き上げ、労働条件や生活条件を改善するための重要な権利である。しかし、21世紀に入りグローバル化や雇用関係の悪化、不安定な雇用の増加により、この基本的な労働組合権が重大な挑戦を受けている。結社の自由や団体交渉権、労働者の基本的な権利を求める闘いは依然として困難を極め、時には危険を伴っている。2009年も多くの国で嫌がらせ(ハラスメント)や脅迫、迫害が起こり、最悪の場合には労働組合活動家の殺害が数多く報告さている。殺害の例は特にコロンビア、グアテマラ、フィリピン、バングラデシュ、イラク、ギニア――の国で頻発した。また、ジンバブエ、イラン、トルコ、韓国、ガンビア――など、多くの国で数え切れないほどの労働組合活動家が逮捕・拘禁された。労働組合活動家に対する殺害、暴力、嫌がらせ、また社会的や文化的、経済的な弾圧が政治的な目的で行われていることは明らかである。労働者の基本的権利は職場における民主主義や参加のルールを定めるものであり、社会全般の人権や民主主義を支える権利である。その意味で労働者の基本的権利は基本的人権として認識されなければならない」と述べた。

トルコで31人の労働組合指導者が逮捕・拘禁

 ITUCはトルコにおける労働組合権の侵害に対して、同国政府に強く抗議した。トルコではこれまでも数多く労働組合権の侵害事件が発生しており、「ITUCとしてはトルコ政府が批准した国際基準を尊重する意思があるのかと疑問を持たざるを得ない」と述べている。
 2009年12月7日にITUCが得た情報によると、トルコのITUC加盟組織であるトルコ進歩労働組合連合(DISK)傘下の交通関係労組の全執行委員および支部役員が拘留され、組合本部が捜索を受けた。現在においても委員長および書記長は拘禁中である。
 警察は組合本部のみでなく、役員の自宅やイスタンブールなどの支部の捜索も行い、捜索の名目は「金儲けのために犯罪組織を組織した」というものであるが、実際は労働組合が労働者の権利の確保のために立ち上がっただけに過ぎない。労働組合活動家のこれまでの逮捕例と同じく、今回も弁護士は逮捕資料に接することができない。
 ITUCのガイ・ライダー書記長は「今回の逮捕は全く受け入れ難く、つい最近のトルコ公務員組合(KESK)の31人の役員・活動家の裁判を思い出させるものである」と語った。適切な手続きもなく、半年間投獄されていた22人の組合指導者は、2009年11月になってようやく釈放された。ITUCはこの裁判に出席し、審理を見守ってきた。当初拘禁された31人全員が2010年3月には再度裁判所に出廷しなければならない。
 トルコ政府のレセップ・タイップ・エルドガン首相に宛てた書簡の中でITUCは、トルコが『結社の自由』と『団結権』に関する『ILO第87号条約』や「国連人権宣言」などの国際条約の批准当事国として、トルコで労働者の権利が尊重され、すべての拘留されている労働組合指導者が速やかに釈放されるよう要請した。

発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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