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No.13(2009/12/25)
招聘プログラム:再招聘チーム報告
 国際労働財団(JILAF)では新たな試みとして、過去のプログラム参加者で帰国後、所属組織において、指導的な地位に就いている労働組合リーダーを再度、招聘する「再招聘チーム」を編成いたしました。また、「アジア6ヵ国の労働事情-多国籍企業労働問題を中心に-」と題する講演会を開き、参加者から自国の労働事情について報告していただきました。今回は講演会の様子と参加者の感想をお届けいたします。
再招聘チーム講演会「アジア6ヵ国の労働事情 -多国籍企業を中心に-」

 JILAF講演会「アジア6ヵ国の労働事情 -多国籍企業労働問題を中心に-」を12月1日、都内で開き、行政関係者や労働専門家をはじめ、42人が参加した。
はじめに主催者を代表して野寺副理事長は「JILAFの招聘事業がスタートして20年が経過し、126ヵ国・3地域から2200人以上を招聘している。この招聘プログラムではザンビア・チルバ元大統領やジンバブエ・ツァンギライ首相をはじめ、国の将来を担う人材となられた方々を多く輩出している。本年度は新たな試みとして、過去の招聘者で所属組織内において指導的立場に就いている方々を“再招聘チーム”として招いている。今回の講演会はこの再招聘チームの参加者が自国の労働事情について報告を行う。参加国の労働事情や多国籍企業の状況を知る良い機会としていただきたい」とあいさつ。
次に各国発表では[1]「インドの多国籍企業での具体的な労働紛争」・インド全国労働組合会議(INTUC)クランティ クマール ヴィサ州事務長[2]「インドネシアの労働事情と労使関係」・インドネシア金属労働者連盟(FPSMI)ロニ ファブリアント ブロトアトモジョ調査情報技術担当局長[3]「多国籍企業との労働争議」・マレーシア労働組合会議(MTUC)サミュエル デバダサン ラジャラトナム財政局長[4]「パキスタンの多国籍企業と労働」・パキスタン労働者連盟(PWF)モハメド ザホール アワン副書記長[5]「フィリピンの多国籍企業の状況」・フィリピン労働組合会議(TUCP)ラファエル エストケ マパロ教育局長[6]「現在の世界的不況への対応とシンガポールの労働運動」・シンガポール全国労働組合会議(NTUC)ジョン デ ペイバ会長――など、参加者6人が多国籍企業を中心に労働事情について報告を行った。
続いて、質疑応答では会場から「マレーシアの労使関係法が改正され、労働者に厳しい内容となっているが、この背景について教えてほしい」「インドの外国投資の課税について」「マレーシアの電子部門の産業別労働組合の結成の可否」「シンガポールの経済危機の対応」などの質問が出された。
最後に閉会あいさつとして高橋専務理事は「各国の労働組合指導者の方々から自国の労働事情を報告していただき感じることは、グローバリゼーションや新自由主義の進展により、多国籍企業がますます力を持っていることである。それと同時に経済状況や労働者の権利・権限を向上させることが重要だが、必ずしもそのような状況とは言えない。こうした状況に対応するためには労働組合が力を持ち、団結することの重要性を改めて感じた。JILAFは各国の労働事情や労働組合の情報を収集する機能を有しており、日本の労働組合と各国の労働組合をつなぐパイプ役として機能を向上させていく」と述べた。

 
再招聘チーム参加者の声

講演会で各国の労働事情を学ぶ

 再招聘チームで講演会に参加し、インドの多国籍企業の現状について報告する貴重な機会を得られたことに感謝している。また、講演会では、各国の労働組合指導者が自国の多国籍企業の問題について、どのような取り組みを行っているのか知ることができたのはとても有意義な経験であった。
今回は、連合が支援する民主党が衆議院選挙で勝利し、民主党政権が誕生した絶好の機会に来日することができた。私が驚いたことは労働組合に関係する議員が43人も当選していることだ。それだけではなく官房長官や国務大臣、行政刷新会議委員などの政府の要職に労働組合出身者が就いていることは、同じ労働運動の仲間として大変うれしく思う。
また、今回のプログラムでの経験を自国に戻ってから仲間たちと共有し、今後の活動に役立てていきたいと考えている。新たな試みとして、再招聘チームを企画してくれたJILAFに感謝している。

再招聘チーム参加者
クランティ ヴィサ
インド全国労働組合会議(INTUC)

招聘プログラム参加者のネットワーク作りが重要

 JILAFの招聘プログラムを再度、経験できたことに感謝している。再招聘チームは1週間という短いプログラムだったが、[1]労働講義[2]労働事情を聴く会[3]富士フイルム神奈川工場訪問[4]連合訪問[5]高木理事長との意見交換――などを経験した。
特に高木理事長との意見交換では、日本のナショナルセンターである連合の前会長ということもあり、日本の労働運動や労働組合の現状などの貴重なお話を聞くことができ、大変有意義な時間となった。
マレーシアの招聘プログラム参加者は、日本での経験を基に自国で優れたリーダーとなって活躍しており、帰国後は以前の参加者とのネットワークを作り、日本の新しい情報を共有化していきたいと思っている。JILAF事業がさらに発展することを願っている。

再招聘チーム参加者
サミュエル ラジャラトナム
マレーシア労働組合会議(MTUC)

発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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