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No.10(2009/12/15)
韓国のILO条約批准状況

 ILOは韓国政府に非正規労働者の権利が妨げられているとして、「結社の自由」を保障するべく『刑法』『労働法』の改定を要請した。
 非正規労働者の労組加入と団体交渉が可能になるべく、『労働法』を改正するように韓国政府に再度要請したILOは、「結社の自由委員会」の中間報告が理事会で採択された。
 「すべての労働者は、彼らが期間の定めのない契約か有期契約なのか、契約社員として雇用されるかどうかにかかわらず、自分たちの選択した組織に加わるか組織を作る権利を有するべきだ。そして、反労働組合の理由で契約更新を否定することは、ILO条約98号の第一項違反である」と委員会は報告した。
 この苦情(ケース・ナンバー2602)は、韓国労総(KCTU)と韓国金属労組連盟(KMWU)、国際金属労連(IMF)によって、2006年に申し立てられ、蔚山や阿山、全州の現代自動車、ハイニックス・マグナチップス、キリュン電子、KM&Iの違反例が実例として提出されていた。ILOは韓国政府に対して労組抑制と権利侵害の申し立てを調査し、基本的権利が侵害された労働者を復帰させるか、補償するよう要請した。
 2009年2月にはITUCやIMF、OECD-TUACからなる実情調査委員会が派遣され、韓国の非正規労働者の最も基本的な権利である「結社の自由」「団体交渉と集団的行為」といった権利が引き続き与えられていない証拠を見つけた。
 韓国の独特の刑法314(雇用主が“事業活動が阻害された”という理由で労働組合と組合員に対して投獄または補償を求めることができる)に関して、ILO委員会は韓国政府に「ストライカーを逮捕するより、事実調査をする一般的慣行を実現するため、関係する社会的パートナーと協議して必要な措置をとること。また、逮捕は違法なストライキの場合でも、暴力行為が起こった状況に限られなければならない。労使関係を刑罰の対象にすることは、調和の取れた平和な労使関係の確立に寄与しない」と勧告した。
 ILOは韓国政府に10年の間、刑法314を改定するように要請してきた。これはILOの継続的な苦情(ケース・ナンバー1865)のうちの1つである。ILO委員会は、このケースの進展が無いことに深い懸念を表明した。
 ILO委員会は「韓国はILO条約87号および98号を批准していない。国家がILOのメンバーになると決めたなら、“フィラデルフィア宣言”で謳われている基本的原則を受け入れ、結社の自由の原則を尊重する最終的な責任が政府にはある」と委員会は表明した。

発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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