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No.9(2009/12/13)
変貌する米国労組
 ニューヨーク・タイムズ紙は、米国の労働組合の組織構造が以前と比較すると著しく変貌していると伝えている。
 ある調査によれば、製造業における労働組合員は全組織労働者の約10人に1人である一方、女性組合員は組織されている全労働者の45%以上を占めるまでになっている。この調査は米国経済政策調査センター(CEPR)が11月に公表したもので、米国労働組合運動の絶頂期にあった時代に主導的な役割を担っていた全米自動車労組や鉄鋼労組などブルーカラーやその他の工場労働者の割合は見る影もないほど減少している。調査のタイトルは「変貌する労働の顔:1983-2008」と題するもので、1980年代はほぼ30%が製造業からの組合員であったが、今では11%である。全米自動車労組は1979年には組合員が150万人であったが、今では50万人以下である。組合リーダーたちは今この長期的な減少傾向をどう反転させるか議論を活発化している。その中で、ここ数十年間に急速に組合員の伸張を見た教員や地方自治体職員の組合は、もっと民間部門の組織化に注力すべきだとの強い主張がでている。現在約49%が公共部門からの組合員で占められているが、1983年にはわずか34%であった。さらに、組織拡大をより容易にするためには、米国の中央労働団体であるアメリカ労働総同盟・産業別労働組合会議(AFL-CIO)が政府に要求している『従業員自由選択法』(EFCA)の制定が不可欠であるとしている。しかしこの法案に対して経営者側はコスト上昇につながり、利益を圧迫し、かつ労働者の雇用抑制につながるものであるとして反対している。
 米国全体の労働者の組織率は1983年の20.1%から昨年の2008年には12.4%へと長期的な低落傾向に歯止めがかかっていないことが明らかとなっている。
発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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