バックナンバー

No.8(2009/12/11)
英国の派遣労働者の均等待遇
 EUの『派遣労働指令』では、同じような仕事であれば派遣先の正社員と基本的には均等処遇を保障している。EUは加盟国に対して、2011年12月までに国内法の整備を求めている。
 『派遣労働指令』は“全労働者に対する公平性と労働市場に柔軟性を与える”という二つの目的があり、同一水準の待遇を就業初日から適用するかどうかは各国が独自に決定できるとされている。しかし、全国レベルの労使の合意があれば一定期間の猶予が認められ、イギリスは2011年に実施される。また、就労12週間後から同一水準の待遇が保障され、[1]賃金[2]労働時間[3]時間外労働[4]休憩[5]有給休暇[6]妊娠中の女性労働者の労働条件と労働時間調整――などが正社員と同じ権利が保障される。派遣先企業の新規採用情報も正社員と同等に得られるとされている。イギリスの派遣労働者は約130万人であらゆる職種に広がっている。
 また、11月18日付のガーデアン紙によるとエリザベス女王も英国議会で行ったスピーチのなかで、派遣労働者の賃金や休暇、その他の「基本的労働条件」が正社員と同等の権利が与えられるという英国政府の政策について述べた。
 組織人員約383,000人で、マンチェスターに本部を置く商店流通関連労働組合(USDAW)のジョン・ハーネット書記長は「われわれの意見を政府が聞き入れ、派遣労働者に同一待遇を約束したことは素晴らしいことだ。派遣労働者は、賃金、休日、オーバータイム、休息、夜間労働が労働時間の12週間後から正社員と同等の権利が保障されることになり、できるだけ早く実行してほしい。USDAWは長い間、政府に対して派遣労働者の同一権利を訴えてきた。なぜなら、これは派遣労働者自身のためだけでなく、正社員のためでもあるからだ。悪質な経営者による派遣労働者の搾取により、正社員の賃金や労働条件が結果的に引き下げられるからである。われわれは就労初日からの適用を要求して、運動を続けていくが、今回の決定が正しい方向にあることには間違いない」と述べている。
 イギリスは『派遣労働指令』を2010年に導入するが、施行はEUの規定期限ぎりぎりの2011年10月からとなる。
発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
Copyright(C) JILAF All Rights Reserved.