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No.6(2009/11/27)
英国の勤労者の通勤時間とワーク・ライフ・バランス
 イギリス労働組合会議(TUC)の公式統計分析によると、英国では勤労者が通勤時間に費やす時間をまとめると、毎日2200万時間に及ぶといわれる。“Work Wise UK’s Commute Week”(「賢くはたらきスマートに通勤しよう」週間/11月9~13日)にあわせて発表されたもので、この往復の通勤時間は2億6600万ユーロに値するという。
 これは「労働力調査」の結果を基に算出したもので、往復の通勤に毎日平均して52.6分かけている。ロンドンの一番長い通勤時間は78分。次に長いのはSouth East(南東部)の56.4分、次がイングランドEast(東部)で56分、ウエールズの41分とSouth West(南西部)の44.8分が最も短い通勤時間である。
 また、男女間の通勤時間の違いやフルタイムとパートタイマーの違いも明らかになった。パートタイマーの通勤時間はフルタイムより平均して短い。男性のフルタイムが60.4分に対して、男性のパートタイマーは42分である。女性のフルタイムの通勤時間52.8分に対して、女性のパートタイマーは38.6分であった。男性の正規従業員の通勤時間は女性の正規従業員より7.6分も長いという。男女の通勤時間の差が英国内で一番大きいのは13.6分でSouth East(南東部)のケース。また、給料の高いポストについている方が通勤時間も長いという。マネージャーやシニアーオフィシャル(上級幹部)が68.6分、プロフェッショナル(専門職)61.4分と通勤時間が最も長い。
 通勤時間の調査結果について、TUC・ブレンダン・バーバー書記長は、英国の労働者はヨーロッパで最も長い労働時間の上、毎日1時間近い通勤時間は二重の不幸であり、「ワーク・ライフ・バランス」をはかる上で問題であると述べている。
 英国では10月5日に夏時間が終わり、時計の針を1時間戻すが、冬は8時でも薄暗い。午後4時過ぎには暗くなる。暗い中での往復通勤、さらに通勤途中の渋滞はストレスの要因になるといわれている。時差通勤の奨励や「フレキシブルタイム労働」の導入がすすめられているが、最近は在宅労働やネットカフェでの仕事を部分的に行うなど、多角的な対策がすすめられている。定義が必ずしもはっきりしていないが、自宅を主な拠点として仕事をする労働者-在宅労働者は全労働者の11%にのぼるといわれている。これを5年以内に50%まで上昇させられるのではないかと考えられている。
 通勤問題は生産性の向上にも関係する重要な問題として(1)経営上(2)社会的な面(3)公共交通機関の面(4)環境面――からの取り組み、課題をあげて「クオリティ・オブ・ライフ」の改善に向け、国民的な運動としてすすめられている。
発行:財団法人 国際労働財団  http://www.jilaf.or.jp/
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