インドネシアの基本情報

面積 190.46万平方キロ(日本の8.7倍)(CIA調査)
人口 258,316,051人 (July 2016 est.)(CIA調査)
首都 ジャカルタ1032万人(2017世界年鑑)
主要都市 スラバヤ285万人、バンドン254万人(2017世界年鑑)
主要言語 インドネシア語
民族 マレー系約300民族、他に中国系
宗教 イスラム教、キリスト教
GDP 8,619億米ドル(2015,世銀)
一人当りGDP 3605.1米ドル(2016インドネシア政府統計)
労働力人口 約1億2,545万人(2015年ILO)
産業別分布(%) 製造業22%、卸売・小売・ホテル・飲食業16%、農林水産業13% (2015年、GDP比(公財)国際金融情報センター)
IL0中核8条約要 8条約すべて批准
通貨 1ドル=13,321ルピア(2017年3月31日,インドネシア中央銀行)
政治体制 大統領制、共和制
国家元首 ジョコ・ウィドド大統領
議会 国会、国民協議会
行政府 大統領が閣僚任命、首相なし、33省
主な産業 製造業、農林水産業、商業
対日貿易 輸出1兆2300億円 輸入1兆9888億円(財務省「貿易統計」2016年)
日本の投資 6276億円(財務省「国際収支統計」)(平成28年)
日系企業数 1,697社(外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成28年要約版)
在留邦人数 18,463人(外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成28年要約版)
気候 熱帯、海洋性気候
日本との時差 -2時間
社会労働情勢概要 ・インドネシアは東南アジア最大の国家であり、人口は世界第4位(約2億5千万人)。
・2014年10月、ジョコ・ウィドド大統領が就任、経済・社会政策を最優先課題とし,鉄道,港湾,電力・エネルギー等のインフラ整備及び社会保障の充実を目標に掲げている。
・経済成長率は,世界金融・経済危機の影響を受けた2009年を除き,5%後半~6%台という比較的高い成長率を達成。2010年には一人当たり名目GDPが3,000ドルを突破した。ただし,経常収支の赤字化や通貨安もあり,輸出促進による収支改善が課題。経済はここ数年、6%台の成長が続き、一人当りGDPは3,500ドルに達する中進国のレベル。
・自動車産業、電機・電子産業などの輸出加工基地であり、日本からも多数の企業が進出している。
・工業地帯などでの労使紛争(アウトソーシングや契約雇用に係る紛争)が続いており、労使の建設的な対応の強化が課題。
・労働組合はナショナルセンターが4、他の全国組織が約90と分散状態。
主な中央労働団体 インドネシア労働組合総連合
全インドネシア労働組合総連合
インドネシア福祉労働組合総連合(KSBSI)
労働行政 インドネシア労働移住省
中央使用者団体 インドネシア使用者協会(APINDO)
最終更新日 2017年 6月 5日
主要統計
(GDP)
201120122013201420152016
GDP成長率 6.56.25.85.04.85.0
一人当りGDP(ドル) 3,4983,5633,4993,5313,3773605.1
物価上昇率 (%) 3.84.38.48.43.43.0
失業率 (%) 6.66.16.25.96.2

1.国家としての成立過程(第二次大戦以降、現在まで)

事項
1945年 日本敗戦、占領の終了。スカルノ独立宣言
1945年〜 再植民地化に動くオランダとの闘争
1949年 自治連邦共和国
1950年 共和国、完全独立
1950年〜 社会主義的経済運営
1965年 独裁批判に対し国連脱退
1965年 共産党系暴動
1965年 スハルト将軍クーデター、軍事独裁政権
1968年 スハルト大統領、国連復帰
1970年 スハルト体制、親米・「開発独裁」政治
1997年 アジア通貨危機
1998年 スハルト大統領7選。民主化運動激化
1998年 スハルト氏辞任、ハビビ大統領
1999年 民族対立激化、東ティモール独立
1999年 総選挙、闘争民主党第一党
1999年 ワヒド大統領、民主化改革はじまる
2001年 メガワティ大統領、民主化推進
2004年 初の直接選挙でユドヨノ大統領選出
2005年〜 経済成長拡大
2009年 ユドヨノ大統領、高得票で再選
2014年 ジョコ・ウィドド氏が大統領に就任。
ジョコ政権は、経済・社会政策を最優先課題とし、鉄道、港湾、電力・エネルギー等のインフラ整備及び社会保障の充実を目標に掲げている。

2.国家統治機構

元首

  • 大統領:現在はジョコ・ウィドド氏。直接選挙制で任期5年、三選は禁止。

議会

  • 議会
    (与党)
    闘争民主党109、民族覚醒党47、開発統一党39、ナスデム党36、ハヌラ党16
    (野党)
    ゴルカル党91、グリンドラ党73、民主主義者党61、国民信託党48、福祉正義党40

行政

  • 大統領が閣僚を任命。首相なし。内務省ほか32の省がある。労働行政は「労働移住省」が担当。

司法

 三審制であり、地裁、高裁、最高裁がある。裁判所の種類として、憲法、普通、宗教、軍事、行政、汚職のほか、労使参加による労働裁判がある。

3.政治体制

政体

  • 共和制。大統領が政治の最高権力者。普通選挙にもとづく民主主義。

主な政党

闘争民主党

かつての体制内野党・インドネシア民主党のメガワティ派などが、政党自由化に伴って設立した党。パンチャシラを掲げる中道左派。現大統領ジョコ・ウィドドが所属する。

グリンドラ党 小政党が合併して勢力を拡大した党。党名は“Gerakan Indonesia Raya”の略で、和訳例は「大インドネシア運動党」
ゴルカル党 スハルト時代の万年与党。その歴史から安定した党機構と支持層をもち、現在もマルク諸島など東部で投票者が多い。自由主義保守派。党名は“Golongan Karya”の略「職能集団」の意味。
民主主義者党

ユドヨノ前大統領を支援すべく設立された党。穏健なイスラムを掲げる中道政党だったが、幹部の相次ぐ汚職発覚で党勢が半減した。

4.人口動態

  • 現在の人口は約2億5千万人であるが、国連の予測によれば、2030年代はじめに3億人を突破し、2070年頃に3億5千万人台でピークを迎える。
  • 20歳未満の若い人口が多く、人口増が労働力増に結び付く「人口ボーナス期」が今後20年以上続くと見込まれている。

5.産業構造と就業構造

主要産業

  • 生産額では、製造業(23.71%)、農林水産業(14.33%)、商業・ホテル・飲食業(14.60%)、鉱業(10.49%)、建設(10.05%)、運輸・通信(7.39%)、金融・不動産・企業サービス(7.65%)、サービス(10.98%)など(2014年における名目GDP構成比、インドネシア政府統計)

就業者数

  • 労働力人口は約1億1,900万人。産業別就業人口では、農業34.0%、卸売・小売21.7%、運輸・通信4.5%、製造業13.3%(2014年)。

6.経済状況

経済情勢

  • 経済成長率は、2000年代後半、5~6%台を達成。世界金融・経済危機の影響を受けたものの、経済成長を維持し、堅調な経済成長を続ける。2011年に発表された「経済開発加速・拡大マスタープラン(MP3EI)」では、2025年までに、名目GDPを2010年比で約6倍に増加させ、GDPで日本を上回り、世界の10大経済大国となる目標を掲げている。
  • 一方、同国経済は資源輸出依存度が高い脆弱な構造であり、「双子の赤字」は黒字の定着が見通しにくいことから、ルピアに売り圧力がかかりやすい。安定的発展のためには、引き続き外的ショックへの耐性を保ちながら、経済活動促進のためのインフラ整備、産業の高度化・高付加価値化による輸出競争力の向上を進める必要がある。

所得の動向等

  • 一人当り名目GDPは、2015年には3,377米ドルに達し、中進国のレベルとなっている。

7.支援組織、国際産業別労組(GUFs)の活動

現地協力・支援活動実施

  • 日本JILAF、ドイツFES、米国ACILS、豪州APHEDA、フィンランドSASK、スウェーデンLO-TCO、ベルギーWSM、オランダFNV。ほか、GUFsなど。

現地事務所設置

  • 上記のうち、FES、ACILS、WSMは現地事務所設置。FNVは現地提携組織あり。

8.組合活動

ナショナルセンター

  • 主要なナショナルセンター(総連合:現地語Confederasi)としては、ITUC加盟のインドネシア労働組合総連合(CITU/KSPI)、インドネシア福祉労働組合総連合(KSBSI)のほか、インドネシア労働組合連盟(KSPSI)がある。KSPSIは、事実上二つに分裂している。CITU、KSBSIとKSPSIの分裂組織の一つ(アンディ派)による政策上の協力組織としてインドネシア労働者評議会(MPBI)がある。このほか、約90の全国的組織(連合:Federasi)がある。
  • ナショナルセンターの活動は、①最低賃金引上げ、②社会保障改革、③燃料費引上げ反対、④アウトソーシングなど不安定労働対策などに重点(CITU)。

産業別の状況

  • 金属・電子・自動車、繊維、化学・薬品・石油、印刷・メディア、銀行、観光などを幅広く組織化。

9.労使紛争の状況

  • ストライキ件数は、2013年から最低賃金の引き上げを求める動きが活発化し、発生件数は年間200件を超えていたが、2015年最低賃金の制度改正により、2015 年(10月までの暫定値)の件数は減少している。
  • 最近の紛争の発生状況は次の通り。

ストライキ発生状況

ストライキ件数 参加労働者数 労働損失時間
2010年 82 1,982 10,571
2011年 196 54,861 233,718
2012年 51 13,753 28,863
2013年 239 32,209 131,006
2014年 233 16,104 148,548
2015年 10 3,960 37,338

資料:インドネシア労働移住省

10.最低賃金制度と労働・社会保障法制

最低賃金

 最低賃金は政府がインフレ率と経済成長率を算出し、 これを基に各州の賃金評議会において、最低賃金額の勧告を行い、最終的には各州の知事が毎年の最低賃金額を決定する。州によっては県・市における設定がされることもある。また、州あるいは県・市産業別最低賃金を設定することが可能であるが、産業別最低賃金は一般の最低賃金よりも5%以上高くなければならない。
 また、労働大臣は、5年毎に、政労使三者構成の全国賃金評議会の審議を経て、最低賃金の設定基準である「適正生活水準: KHL」の算定方法を定め、これに基づいて各州(又は県・市)でKHL を定める。  また、最低賃金は、勤務期間が1年未満の全ての労働者に対して適用される。州別最低賃金は近年、非常に高い伸び率を示しており、2015年においても多くの州で10%以上となっていたが、2016年から現行制度が導入されたのを機に伸び率は大きく減少し、2017年は多くの州が10%を下回り(政府が示した基準値8.25%)、平均9.2%となった。

労働・社会保障法制

  • 主な労働・社会保障法制は次の通りである。 「労働組合法」(2000)、「労使紛争解決法」(2004) 「労働法」(2003) http://www.jilaf.or.jp/asia_laborlaw/data/indonesia_001.pdf
  • 最近では、請負、派遣などの不安定雇用に関する労働法の規定と政令による規制のあり方、社会保障の強化の方向などが焦点となっている。

11.その他

JILAFの事業

  • 招へい事業:1991年からこれまでに85人(男性58人、女性27人)の労働組合リーダーを招へい(2016年度末現在)
  • 現地支援事業:(セミナー)「労組基礎」「組織強化」「リーダーシップ」「組織化」「団体交渉」「労働協約」「紛争処理」「労使紛争解決」「最低賃金」「国際化」「社会保障」「共済制度」(1994~)、「職場環境改善」(2005~2010)、「労使関係・生産性(PROGRESS)」(2010~2013)、「労使関係・労働政策」(2013~2016)。

日本のODA方針

  • 長く友好関係にあり、戦略的パートナーであるインドネシアの更なる経済成長に重点を置きつつ、均衡のとれた発展と、アジア地域及び国際社会の課題への対応能力向上を支援する。重点分野は、①さらなる経済成長への支援、②不均衡の是正と安全な社会づくりへの支援、③アジア地域及び国際社会の課題への対応能力向上のための支援。