ラオスの基本情報

面積 23万6800平方キロ(日本の0.63倍)(CIA調査)
人口 7,019,073人 (July 2016 est.)(CIA調査)
首都 ビエンチャン(82万9000人・2017世界年鑑)
主要都市 サバンナケット12万4000人、ルアンプラバン8万6000人(2017世界年鑑)
主要言語 ラオ語
民族 低地ラオ民族、少数民族(47程度)
宗教 仏教、精霊信仰
GDP 125億米ドル(2015、ジェトロ国別情報)
一人当りGDP 1,947ドル(2015年,ラオス統計局)
労働力人口 343万人(2015年ILO)
産業別分布(%) サービス業(GDPの約36%),農業(約22%),工業(約33%)(2015年,ラオス統計局)
IL0中核8条約要 批准5条約、未批准3(87、98、105)
通貨 1ドル=8,129.06キープ(2016年,ラオス中央銀行)
政治体制 人民民主共和制、一党独裁
国家元首 ブンニャン・ヴォーラチット国家主席(ラオス人民革命党書記長)
議会 国民議会
行政府 トンルン・シースリット(党政治局員)
主な産業 農業、サービス業、工業
対日貿易 輸出126億円 輸入125億円(2016年,財務省「貿易統計」)
日本の投資 6,019 万ドル(2014年ラオス商工省および計画投資省)
日系企業数 128社 外務省「海外在留邦人数調査統計(平成28年要約版)」
在留邦人数 743人(外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成28年要約版)
気候 南部は熱帯、北部は温帯気候
日本との時差 ‐2時間
社会労働情勢概要 ・人民革命党による社会主義、一党支配体制、2016年3月に第8期国民議会総選挙が行われ,4月に初回会議が開かれ,ブンニャン国家主席(兼党書記長),トンルン首相,サルムサイ外相が選任された他,パーニー国民議会議長が再任。
・経済は市場経済。ベトナムと「特別な関係」を確認している。外国投資の促進による社会経済開発の加速を目指し,投資環境の改善に取り組んでいる。
・ラオスは人口が少ないため、ビエンチャンの郊外や南部のサワンナケートやパクセーに進出するなどなるべく労働力の確保しやすいところを選んで各企業は工場を建設している。
・国民の大半が自給自足的な農業に従事しており、アジアで最も貧しい国のひとつである。労働力人口うち8割がインフォーマルセクター労働者といわれている(農民が中心)。
主な中央労働団体 ラオス労働組合連盟 (LFTU: Lao Federation of Trade Unions)
労働行政 厚生労働省(Ministry of Labour and Social Welfare)
中央使用者団体 ラオス商工会議所(Lao National Chamber of Commerce and Industry)
最終更新日 2017年 6月 5日
主要統計
(GDP)
201120122013201420152016
GDP成長率 8.048.28.57.57.6
一人当りGDP(ドル) 1,2511,3491,4901,6921,947
物価上昇率 (%) 7.584.36.44.25.301.6
失業率 (%) 1.41.4n.a.n.a.2.1

1.国家としての成立過程(第二次大戦以降、現在まで)

事項
1945年 ラオス王国(ルアンパバーン王朝)独立宣言
1946年 フランスの再植民地化
1949年 仏連合の枠内での独立
1950年 パテート・ラオ(ラオス愛国戦線の軍事組織)結成、内戦へ向かう
1953年 仏・ラオス条約によりラオス王国独立
1954年 ジュネーブ和平条約。ビエンチャンに王国、北部にパテトラオ支配地域を認める
1957年 第一次連合政府発足。内戦で崩壊
1962年 第二次連合政府発足、10ヵ月で崩壊
1964年 米軍、北部のパテトラオ支配地域への爆撃開始
1969年頃 内戦でパテトラオ優勢に
1973年 「ラオスにおける平和の回復及び民族和解に関する協定」が成立
1974年 第三次連合政府発足
1975年12月2日 ラオス愛国戦線(パテート・ラオ)による革命により人民民主共和国成立
1986年 人民革命党、「チンタナカーン・マイ(新思考)」政策を採択。改革路線をとる
1997年 ASEAN加盟
2001年 経済五ヵ年計画策定
2003年 憲法改正(現行憲法)
2006年 人民革命党大会、改革路線の継続確認
2011年 チュンマリー国家主席、トンシン首相再任
2012年 WTO加盟
2016年 ASEAN議長国
第8期国民議会総選挙
ブンニャン国家主席(兼党書記長)、トンルン首相が選任、パーニー国民議会議長が再任。

2.国家統治機構

元首

 国家主席は元首としてラオス人民民主共和国を代表するが、具体的な行政は執行しない。
ブンニャン・ヴォーラチット国家主席(ラオス人民革命党書記長)

議会

  • 国民議会(一院制、149議席、任期5年)
    議長:パーニー・ヤートートゥ(党政治局員)

行政

  • 首相は国家主席に指名され、国民議会で承認を受ける。任期は5年。
    トンルン・シースリット首相(党政治局員)  
    サルムサイ・コンマシット外相

司法

  • 2審制。第1審は、県人民裁判所、特別市人民裁判所、郡人民裁判所、軍事裁判所から構成され、最高人民裁判所が最終審となる。

3.政治体制

  • 人民革命党(共産党)一党支配による社会主義体制

4.人口動態

  • ラオスの現在の人口は681万人(14年)
  • ラオスの人口はカンボジア、中国、ミャンマー、タイを含めたメコン地帯で最も少ない。

5.産業構造と就業構造

主要産業

  • サービス業38.3%、農林水産業24.7%、製造業10.1%)。(2012年、ラオス統計局)

就業者数

  • ラオスの労働力人口は381 万人で、若年層の人口構成が多い。雇用の70%はインフォーマル労働者で、30%がフォーマル労働者であり、労働者のほとんどが農村部に居住し、零細農業に従事している。
  • タイへの出稼ぎ労働者は、10 万人とも30 万人とも言われる。ラオスとタイは、査証免除協定(1ヶ月査証・Border Pass)を締結しているため、陸路による往来が可能であり、タイ人トレーナーがラオス工場でラオス人ワーカーを訓練・育成することが可能になり、逆にタイのマザー工場でラオス人労働者を育成することが可能となっている。
  • しかし、最近までなかった工業団地が相次いで設立されており、ラオス国内での雇用機会は今後も増えていくと思われる。それに伴い、零細な縫製業が主であった工場労働者に代わって組立・機械工業に従事する労働者が増加するものと考えられる。
  • しかしながら、2015 年になっても鉱工業部門の従業員の割合は7%と先行国タイの2012年の15%などと比べると低率に留まる。

6.経済状況

経済情勢

  • ラオスは、国民の大半が自給自足的な農業に従事しており、アジアで最も貧しい国のひとつである。ラオスは、国連から後発開発途上国(LDC)に指定されており、一人当たり名目GDPは1,594ドルとASEAN最低レベルである。
  • ただ、近年のラオスの経済成長はめざましく、2010年から実質GDP成長率は連続で8%を超えている。経済成長の主要な牽引役は鉱山開発や水力発電といった資源関連部門である。また、外国人観光客増加によって、ホテル、飲食、運輸といったサービス部門が拡大したことも、経済成長に寄与した。
  • 隣国タイで、人件費高騰、大洪水発生、反政府暴動といったマイナス要因が顕在化し、投資環境が悪化している。これを受けて、タイ進出日系企業の中には、リスクヘッジのために周辺国にタイの生産工程の一部を移管する動きが見られるようになった。こうした中で、タイより人件費の安いラオスに対する関心が急速に高まっている。

所得の動向等

  • 政府は最低賃金を引き上げているが、タイに比べると2分の1 にすぎず、こうした賃金格差が近年のタイ・プラス・ワンと云われるタイ経由のラオスへの投資が加速している要因の一つとなっている。

7.支援組織、国際産業別労組(GUFs)の活動

現地協力・支援活動実施

  • 日本JILAF、ドイツFES、豪州APHEDA、スウェーデンLOが支援のプログラムがある。
  • フィンランドSASK、ノルウェーLOは支援実績があるが、現時点では実施していない

現地事務所設置

  • APHEDAは事務所を設置し、事業展開をしている。

8.組合活動

ナショナルセンター

  • ラオス労働組合連盟(LFTU)は1956年に結成された。
    LFTUは、党の指導のもとにあるラオス人民民主主義政治体制内の組織である。LFTUは、その組合員、労働者および他のすべての勤労人民を代表するとともに、その公正な利益を守る。
  • 主な活動は、(1) 労働者の正当な利益の保護、(2)労働関連法規の普及、(3) 団体交渉の推進、(4) 職業安全衛生などがあげられる。

9.労使紛争の状況

  • ラオスでは政府と労働組合がほぼ一体であり、また穏やかな国民性から労働争議は起こり難い。しかし、残業手当の未払い、賃金の遅配といったことで小さな争議は起きているようである
  • 労働管理局からは①労働者によるストライキ又はデモは生じていない、②労働者による会社の資産あるいは備品、職場を破壊されたことはない、③法的理由なくして雇用主に解雇されたケースは見られない、という報告がある。
  • 労働紛争は当事者の間での和解が奨励されており、和解が難しい場合には労働監督機関に付託されることになっている。労働監督機関の仲裁によって解決できない場合には人民裁判所に持ち込まれることになっているが、実際に裁判所までいったケースは少ないものと考えられる。

10.最低賃金制度と労働・社会保障法制

最低賃金

  • ラオスの法定最低賃金(月額)は90万キープ(約110米ドル、2015年)。この水準はカンボジアよりやや低く、メコン地域内では最低水準にあるが、タイの最低賃金額と比べると半分以下である。しかし、縫製工場を中心とした多くのラオス企業は最低賃金の引き上げに従っていない。
  • 最低賃金の定義は、政府が規定する最低限の給与または労賃を意味し、これには、その他の諸手当(時間外労働賃金、手当、賞与、食費、宿泊費、送迎費、その他の褒賞金等)は含まれない。
  • ラオスは、人口が少なく大量採用がしづらいため、国内人材のつなぎとめと海外からの投資に対する優位性という両面から政府の舵取りが求められることになる。

労働・社会保障法制

  • ラオスの主な労働・社会保障法制は次の通りである。
    「労働法」(2007)
    http://www.jilaf.or.jp/asia_laborlaw/data/laos_001.pdf
    「労働組合法」(2007)、「女性の地位向上及び保護法」(2004)、「児童の権利及び利害関係保護法」(2006)

11.その他

JILAFの事業

  • 招へい事業
    2001年に招へい事業をはじめる。今日まで29人(男性16人、女性13人)の若手労組指導者を招へい(2016年度末現在)
  • 現地支援事業
    2007年よりセミナーなどの事業をはじめる。テーマは、「労使関係・団体交渉、労働協約」(07~12)、「職場環境改善」(08~10)労使関係・労働政策セミナー(14~16)
  • GUFs日本組織との連携
    「団体交渉・労働協約セミナー」(2011)において、UNI日本加盟協議会との連携を行った。

日本のODA方針

  • ラオスの第8次社会経済開発目標達成を支援し、特に、環境などにも配慮した経済成長の促進に一層の重点を置いた援助を展開する。
  • 重点分野は、ASEANが進める統合、連結性の強化、域内の格差是正をはかる観点から、①経済・社会のインフラ整備、②農業の発展と森林の保全、③教育環境の整備と人材育成、④保健医療サービスの改善の4分野とする。