マレーシアの基本情報

面積 32.98万平方キロ(日本の0.87倍)(CIA調査)
人口 30,949,962人 (July 2016 est.)(CIA調査)
首都 クアラルンプール(首都圏人口683万7000人、2017世界年鑑)
主要都市 ジョホールバル(91万2000人)(2017世界年鑑)
主要言語 国語マレー語、公用語英語、中国語、タミル
民族 マレー68%、中国系24%、インド系7%など
宗教 仏教、イスラム教、ヒンズー教、キリスト教
GDP 12,295億リンギット(マレーシア統計局)
一人当りGDP 9,360米ドル(2016,IMF)
労働力人口 1,449万人(2015年ILO)
産業別分布(%) 製造業22.8%、商業・飲食・ホテル18.5%、金融・保険・不動産・事業サービス10.9%(GDP比、2015年(公財)国際金融情報センター各国情報より)
IL0中核8条約要 批准7条約、未批准(第87号)
通貨 1米ドル=約4.30リンギット、1リンギット=約25.6円(2017年4月28日終値(マレーシア中央銀行))
政治体制 立憲君主制
国家元首 ムハマド5世第15代国王
議会 二院制
行政府 首相(ナジブ・ラザク)のもと首相府、24の省等
主な産業 製造業(電気製品)、農林業、鉱業
対日貿易 輸出1兆3182億円 輸入1兆8780億円(2016年財務省「貿易統計」)
日本の投資 4205億円(財務省「国際収支統計」(平成28年))
日系企業数 1,383社(外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成28年要約版)
在留邦人数 22,774人(外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成28年要約版)
気候 熱帯雨林気候
日本との時差 -1時間
社会労働情勢概要 ・外需低迷により2010年後半から成長は減速傾向にあるが、2011年は投資と国内消費に支えられ、5.1%を維持した。2013年の経済成長率は4.7%。一人当たりGDPは1万ドルを超え、先進国入りをめざしているが、成長の伸び悩み克服に向け取り組み推進。
・イスラム穏健派の民主主義国であり、かつて「ルックイースト」を掲げるなど日本への関心も高い。
・政治は建国以来、「統一マレー国民戦線」(UMNO)を中心とする保守派が与党。
・労使紛争解決のシステムは行政による強制的な仲介を基礎としており、ストライキに移行することは少ない。
・労働組合のナショナルセンターはマレーシア労働組合会議(MTUC)であり、組織化と政策実現に取り組む。
主な中央労働団体 マレーシア労働組合会議(MTUC: Malaysian Trade Union Congress)
労働行政 マレーシア人的資源省
中央使用者団体 マレーシア使用者連盟(MEF)
最終更新日 2017年 6月 5日
主要統計
(GDP)
201120122013201420152016
GDP成長率 5.15.54.76.05.04.2
一人当りGDP(ドル) 9,70010,42210,42810,8049,5609,360
物価上昇率 (%) 3.21.62.13.22.12.1
失業率 (%) 3.13.03.12.93.13.4

1.国家としての成立過程(第二次大戦以降、現在まで)

事項
1945年 日本が敗戦、占領の終了
1946年 英領マラヤ連合(1948年英領マラヤ連邦)
1957年 マラヤ連邦独立
1963年 マレーシア連邦成立(シンガポール、北ボルネオ含む)
1965年 シンガポールが分離独立。今日のマレーシアに。ラーマン首相
1968年~ マラヤ共産党の武装闘争
1969年 マレー人・中国人の衝突(5.13事件)
1974年 クアラルンプール、連邦首都に
1981年 マハティール首相就任。開発と統制、ルックイーストなどの政策を推進
2003年 マハティール氏辞任、アブドラ首相就任
2008年 総選挙で野党躍進、二大政党型に
2009年 ナジブ首相就任
2011年 「公正選挙要求連合」大規模デモ
2011年 政治の自由化を求める大規模行動
2012年 「国内治安法」撤廃
2013年 総選挙で野党微増、二大政党続く
ナジブ首相が再任

2.国家統治機構

元首

 国王。5年ごとに、9つの州(※)の世襲スルタン(イスラム王侯)の互選で決定。(※13の州のうち、ペナン、マラッカ、サバ、サラワクを除く)

議会

  • 二院制。上院70議席(任期3年)、下院222議席(任期5年)
  • 議席
    [与党連合:国民戦線(BN) ] 133
    (内訳)統一マレー国民組織(UMNO)88、マレーシア華人協会(MCA)7、マレーシア・インド人会議(MIC)4、ほか34
    [野党連合:人民連盟(PR) ] 89
    (内訳)民主行動党(DAP)38、人民正義党(PKR)30、全マレーシア・イスラム党(PAS)21

行政

  • 首相:国王が下院多数派指導者を任命。現在はナジブ・ラザク氏(2009年4月より)
  • 首相のもとに、首相府、24の省、労働行政は人的資源省が担当。

司法

  • 三審制。連邦裁判所(最高裁)、上訴裁、高裁、地裁など。

地方行政

  • 13の州と3連邦直轄区(クアラルンプール、ラブアン、トラジャヤ)。

3.政治体制

政体

  • 立憲君主制。普通選挙による民主主義制。
  • 議員内閣制で首相が政治の実質的な最高権力を持つ。

主な政党

統一マレー国民組織
(UMNO)
マレー系国民による保守政党。独立以来60年近く与党。総裁、ナジブ首相。
マレーシア華人協会
(MCA)
中国系国民による保守政党。UMNOと与党連合の中核を形成。
マレーシア・インド人会議
(MIC)

インド系国民による保守政党。UMNO、MCAと与党連合を形成。

民主行動党
(DAP)
シンガポール人民行動党とつながる中国系国民による政党。野党の中心の一つ。
人民正義党
(PKR)
UMNOから分裂したマレー人系政党。アンワル元副首相が顧問。同氏夫人が総裁。
全マレーシア・イスラム党
(PAS)
イスラム国家の樹立をめざす政党。

4.人口動態

  • 政府見通しによると、国内人口は今後も右肩上がりに推移しており、現在の約2,800万人から今後10年で約3,500万人に増加し、2090年に現在の約2倍でピークに達した後、人口減少に転じる。現在の年齢別人口を見ると、14歳以下が27.6%、15~64歳が67.3%、65歳以上が5.1%である。また、60歳以上の割合は2020年には人口の10%、2050年には20%に高まるとみられる。
  • 平均寿命は2020年には、男性は74.2歳に、女性は79.1歳になると予測されている。

5.産業構造と就業構造

主要産業

  • 主な産業は、製造業(電気機器)、農林業(天然ゴム、パーム油、木材)および鉱業(錫、原油、LNG)など。
  • 主な輸出品は、電気製品、パ-ム油、化学製品、原油・石油製品、LNG、機械・器具製品など、輸入品は、電気製品、製造機器、化学製品、輸送機器などである。

就業者数

  • 就業者数は1,449万人(ILO2015年)であるが、経済規模に比べ労働力人口が少なく、かつ周辺国より人件費が相対的に高いことから、農業・プランテーション、建築、製造業、家庭内労働(メイド)などの産業セクターを中心に大量の外国人労働者(正規外国人労働者だけでも約180万人)が流入している。

6.経済状況

経済情勢

  • 金融危機による世界経済の低迷を受け2009年の実質
    GDPはマイナス成長となったものの、長期間にわたって順調な成長を続けており、中上流所得国に位置する。
    現在のナジブ政権は、2020年までの先進国入りの目標達成に向けて取り組んでいるが、「中進国の罠」や所得格差の問題についても指摘されている。

所得の動向等

  • 一人当りGDPは、2013年に1万ドルを超え、中進国から先進国をめざすレベルになっている。

7.支援組織、国際産業別労組(GUFs)の活動

現地協力・支援活動実施

  • 国際協力組織にとって、マレーシアは途上国としての協力対象ではなく、国際協力推進のパートナーと位置づけられている。
  • ドイツFES、米国ACILS、ノルウェーLO、スウェーデンLO-TCOがプログラムをもっている。
  • GUFsは、加盟組織を通じて協力活動を進めている。

現地事務所設置

  • 上記のうち、ドイツFESが現地事務所を設置している。

GUFs事務所設置

  • PSI(国際公務員労連)が、クアラルンプールに、アジア太平洋地域組織事務所を設置している。

8.組合活動

組合数・組合員数等の現状

  • 組合数、組合員数はいずれも漸増の傾向にあるが、組織率は6.9%(2013年)と低調である。

ナショナルセンター

  • ナショナルセンターはマレーシア労働組合会議(MTUC)である。
  • 主要な活動としては、最低賃金制度の制定と適切な運営、定年年齢の引き上げ(55歳から60歳)への対応、労働法制改正への取り組みなどがある。

産業別の状況

  • MTUCに加盟する主な産業別組織の分野は、①製造、 ②公務、 ③商業・金融、④建設、⑤電力・郵便・通信などである。

9.労使紛争の状況

  • 労使紛争件数は年間300~350件ほどで推移しているが、ストライキは組織率の低さ、スト実施手続の煩雑さ、対象とすることが可能な紛争の範囲が狭いこと等により、2011年以降発生していない。
  • 労使紛争の争点の多くは労働協約改定と協約の解釈をめぐる問題である。

労使紛争・ストライキ件数の推移

(数、人)

  2011年 2012年 2013年
件数 解決率 件数 解決率 件数 解決率
労使紛争 311 81.82 324 86.59 375 78.44
ストライキ 0 - 0 - 0 -

資料出所:人的資源省ウェブサイト

10.最低賃金制度と労働・社会保障法制

最低賃金

  • マレーシアの最賃額は全国一律ではなく、半島マレーシアが月額1,000リンギ(時間当たり4.81リンギ)、サバ州・サラワク州・連邦領ラブアン:月額920リンギ(時間当たり4.42リンギ)となっている。外国人労働者を含むすべての労働者に適用されるが、家事労働者は適用除外である。最低賃金以上の賃金を支払わなかった労働者に対しては、支払わなかった労働者1人当たり最高10,000リンギの罰金が科される。
  • 政府は先進国入りの目標とする20年までに、1,500リンギまで引き上げたいとしているが、通貨安により景気は停滞しており経営者団体からは反発の声がでている。一方、マレーシア労働組合会議(MUTC)は今回の引き上げは小幅であり、事業閉鎖や解雇にはつながらないとしている。
     一方で日系大手企業では労働者の確保が年々難しくなってきており、既に最低賃金以上の給与を払っている企業が多いとされる。

労働・社会保障法制

  • 主な労働・社会保障法制は次の通りである。
    「労働組合法」(1959年)、「労使関係法」(1967年)、「雇用法」(1955年)http://www.jilaf.or.jp/asia_laborlaw/data/malaysia_001.pdf
    、「最低定年年齢法」(2011年)、「全国賃金審議会法」(2011年)、「外国人雇用規制法」(1968年)、「労働者災害補償法」(1952年)、「年金法」(1980年)、「従業員社会保障法」(1969年)
     雇用法をめぐり、2011年には「パートタイム労働者規則」が新設されたが、今後、解雇法制などをめぐる論議が活発になることが想定される。

11.その他

JILAFの事業

  • 招へい事業:1991年から今日まで76人(男性53人、女性23人)の労働組合若手指導者を招へいした(2016年度末現在)。
  • 現地支援事業:1995年からセミナーなどを行った。主な内容は次の通り。「団体交渉」(95~99)、「苦情処理・労働裁判」(01)。なお、マレーシアが途上国から中進国に移行したことなどから、2002年以降は現地セミナー等実施していない。

日本のODA方針

  • 二国間協力にとどまらず、東アジア地域や国際社会での共通の目標に向けて協力するパートナーとしての関係構築をめざす。マレーシアのさらなる発展への支援を通じて、ASEAN統合、ひいては東アジアの地域間協力を推進し、将来的には同地域を超えた国際社会の課題に共同で取り組むグローバルな開発のパートナーとしての関係を構築する。具体的には、①先進国入りに向けた均衡のとれた発展の支援、②東アジア地域共通課題への対応、③東アジア地域を超えた日・マレーシア開発パートナーシップに取り組む。