パキスタンの基本情報

面積 79.6万平方キロメートル(CIA調査)
人口 201,995,540人 (July 2016 est.)(CIA調査)
首都 イスラマバード(129万7000人、2016世界年鑑)
主要都市 カラチ1,661万8000人、ラホール874万1000人(2016世界年鑑)
主要言語 ウルドゥー語(国語),英語(公用語)
民族 パンジャブ人,パシュトゥーン人等
宗教 イスラム教
GDP 約2,710億米ドル(2015年)(世銀)
一人当りGDP 約1,560米ドル(2015/2016年度パキスタン経済白書)
労働力人口 6,618万人(2015年ILO)
産業別分布(%) 農林水産業 19.8% 、鉱業 3.0 % 、製造業13.6%(2015年、(公財)国際金融情報センター各国情報より)
IL0中核8条約要 すべて批准
通貨 1米ドル=104.75ルピー(2016年5月)(2015/2016年度パキスタン経済白書)
政治体制 連邦共和制
国家元首 マムヌーン・フセイン大統領
議会 2院制(上院100+下院342)
行政府 アバシ首相
主な産業 農業,繊維産業
対日貿易 輸出2097億円、 輸入286億円(2016年財務省「貿易統計」)
日本の投資 5400万ドル(2014/15年度 (7月~翌年4 月)パキスタン中央銀行))
日系企業数 82社(外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成28年要約版)
在留邦人数 968人(外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成28年要約版)
気候 大部分は亜熱帯気候
日本との時差 -4時間
社会労働情勢概要 ・パキスタンのGDPは約2,501億ドル。一人当たりのGDPは1,307ドルであり、世界平均のおよそ10%の水準である。1日2ドル未満で暮らす貧困層は9710万人と推定(アジア開発銀行)されており、国民の半数を超えている。
・主要産業は、農業や綿工業。特に小麦の生産が盛んで世界生産量第4位である。輸出品としては米がトップで、ついで綿布等繊維製品が続く。
・若年層も多く人口増加率が高いため、BRICsの次に経済の急成長が期待できるNEXT11のうちの一つでもある。
・政治状況は連邦共和制が採用され、インドとの対立により伝統的に軍部の力が強く、対照的に政党の力は弱い。独立以来クーデターが繰り返され、政局は常に不安定である。地方においては部族制社会の伝統が根強く、特に連邦直轄部族地域にその傾向が著しい。パキスタン憲法は、連邦直轄部族地域では大統領が指示しない限り、パキスタンの法律が適用されない旨規定しており、部族地域は強い自治権を有している。
主な中央労働団体 パキスタン労働者連盟(PWF:Pakistan Workers Federation)
労働行政 パキスタン労働省(MOL)
中央使用者団体 パキスタン使用者連盟(PEF)
最終更新日 2017年 6月 5日
主要統計
(GDP)
201020112012201320142015
GDP成長率 1.62.83.74.04.24.71
一人当りGDP(ドル) 1,0431,2191,2011,3681,3431,560
物価上昇率 (%) 10.113.77.48.64.82.8
失業率 (%) 5.66.06.06.26.05.9

1.国家としての成立過程(第二次大戦以降、現在まで)

事項
1947年 イギリス連邦自治領パキスタン樹立
1947年 カシミール帰属めぐり第一次印パ戦争
1956年 憲法制定、共和制施行
1958年 クーデター、アユブ・ハーンで軍政移行
1965年 第二次印パ戦争が勃発
1965年 東パキスタン(現バングラデシュ)反政府運動
1965年 インドが軍事介入、第三次印パ戦争
1970年 総選挙でアワミ連盟(東部自治要求)大勝
1971年 東西内戦、バングラデシュ独立
1972年 民政移行、ブット政権(PPP)
1978年 クーデター、ハックによる軍政
1979年 ブット元首相処刑
1980年〜 イスラム原理主義の影響増進
1988年 民政復帰総選挙、ブット派(PPP)勝利
1988年 ジール・ブット氏、初の女性首相
1990年 総選挙、シャリフ首相
1998年 核実験実施
1999年 クーデター ムシャラフ軍政
2001年 ムシャラフ大統領
2002年 総選挙、ムシャラフ派(PML)勝利
2007年 大統領選、ムシャラフ氏当選
2007年 ジール・ブット元首相暗殺
2008年 大統領にザルダリ氏(PPP)当選
2013年 フセイン大統領就任、総選挙の結果,ムスリム連盟ナワズ派(PML-N)が勝利。シャリフPML-N党首が首相に就任。

2.国家統治機構

元首

  • 大統領
  • 任期5年、上下両院による間接選挙。

議会

  • 二院制。上院および下院(国民議会)。
    上院:104議席(任期6年、3年毎に半数改選、州による間接選挙で選出) 下院(国民議会):342議席、国民による直接選挙。(任期5年)

司法

  • 最高裁、連邦イスラム法廷、高裁(4州とイスラマバード)

地方行政

  • 4州と2直轄地。州知事、州議会、州首相、州政府あり。
  • 4州:パンジャブ、シンド、バルチスタン、北西部・ペシャワル
  • 直轄地:イスラマバード、アフガン隣接地

3.政治体制

政体

  • 連邦共和制
  • 大統領は共和国の統一を象徴する存在
  • 首相が政治の実務的な最高権者

主な政党

与党
ムスリム連盟ナワズ・シャリフ派(PML-N)(26)<186>
2013年のパキスタン下院総選挙ではザルダーリー大統領率いるパキスタン人民党政権の汚職体質や経済無策への批判票を一手に引き受け、大勝した。
イスラム聖職者協会ファズルル・ラーマン派(JUI-F)(5)<13> ファズルル・ラーマン師率いるイスラム急進派政党。親タリバン。
野党
パキスタン人民党
(PPP)(27)<45>
産業の国有化などの社会主義(イスラーム社会主義)政策、労働者や農民の生活向上、国民の国防参加、インドとの対抗上から親中・親米政策を掲げている。
パキスタン正義運動(PTI)(7)<33> クリケットのスター選手イムランカーンが党首。

4.人口動態

  • 1億8,504万人(14年央)、平均増加率2.1%(過去5年間:10~14年)(世銀)。

5.産業構造と就業構造

主要産業

  • 農林水産業20.9%、鉱業2.9%、製造業13.3%、建設業2.4%、サービス業58.8%(GDP 構成比)

就業者数

  • 6,618万人(2015年ILO)

    就業人口構成比:農林水産業43.7%、商業14.4%、鉱業・製造業14.2%、建設7.4%、通信・運輸5.0%、その他14.8%(13年度)
  • 主要産業は繊維業、農業。出稼ぎ労働者の海外送金が多い。(※2014/15年(7-5月)の海外送金額は166億ドル。前年比16%増)

6.経済状況

経済情勢

  • 経済改革の停滞、インフラ不足等により近年低成長が継続。(※2015年度成長率4.24%、一人当たりGDP1,450 米ドル)
  • 電力不足が特に深刻。計画停電が頻繁に発生。(※電力不足による損失は、GDPの4%)
  • 海外直接投資(FDI)は低調。(※FDI受入額は、2014/15年(7-5月):8億ドル。前年度比47%減)
  • パキスタン政府はグローバル経済への対応として、経済特区(SEZ)や輸出加工区(EPZ)において、①法人税免除、②資本財・原材料の無税輸入、③業種を問わない100%外資の参入可能措置―などの方策を講じており、日系企業・事業所の進出も69社に至っている(スズキ、トヨタ、大塚製薬、日野自動車他)。

7.支援組織、国際産業別労組(GUFs)の活動

現地協力・支援活動実施

  • 日本JILAF、ドイツFES、米国ACILS、豪州APHEDA、フィンランドSASK、スウェーデンLO-TCO、ベルギーACVが支援・協力事業を展開
  • GUFsは加盟組織を通じて支援。

現地事務所設置

  • 上記のうち、ドイツFES、米国ACILSが現地事務所を設置して事業展開。

8.組合活動

ナショナルセンター

パキスタン労働者連盟(PWF)
主要課題・活動方針:
  1. 未組織労働者の組織化、児童労働・隷属労働の撲滅
  2. 女性・青年の労働組合活動への参加促進
  3. 「労働法」の改正、「労働法」の適切な適用
  4. 政府との政策対話の促進
  5. 賃上げと安全衛生活動の推進

 なお、パキスタンでは長い間、3つのナショナルセンターが競合していたが、2005年に、それらの組織が統合して今日のPWFが結成された。これについては、JILAFの教育活動も側面から寄与したといわれている。

9.労使紛争の状況

  • 人口の約2割が貧困層(1日所得2ドル以下)であり、貧富の格差や高インフレ率が社会の不安定要素になっている他、①政情と公共治安の安定、②女性の権利保護と社会進出、③汚職撲滅、④紛争終結(カシミール、アフガニスタン国境)、⑤国内産業(農業、繊維以外)の育成、⑤電力不足の解消――などの課題に直面している。加えて、労働者保護の仕組みも不在のままである。同国経済特区内では、労働者補償(労働災害)法、最低賃金令、賃金支払法などの様々な労働関連法規の適用が除外されており、労働者の権利蹂躙などが国際的にみても大きな課題。
     なお、パキスタンでは、2012年新しい「労使関係法」
    が成立している。

10.最低賃金制度と労働・社会保障法制

最低賃金

  • パキスタンの最低賃金は、「最低賃金法」(1961年)にもとづいており、50人以上の労働者を雇用する産業や商業施設にのみ適用。
  • 100米ドル/月(2015年カラチ)

労働・社会保障法制

(単位:件、%)

月給
1969年 「労使関係法」
1934年 「工場法」-1972年「改正法」
http://www.jilaf.or.jp/asia_laborlaw/data/pakistan002.pdf
1968年 「西パキスタン商工業(服務規定)法」
1965年 「州被雇用者社会保障法」
1971年 「労働者福祉基金法」
2006年 「労働関係法修正」
2012年

新労使関係法制定」http://www.jilaf.or.jp/asia_laborlaw/data/pakistan001.pdf

2012年 連合はパキスタン政府に対し、ITUCと共同で「労働関係法」の早急な制定を要請。国際的な支援を促進した。

11.その他

JILAFの事業

  • 招へい事業
    1989年に開始し、これまでに93人(男性81人、女性12人)の若手労組指導者を招へい(2016年度末現在)。
  • 現地支援事業
    1994年より現地事業をはじめた。テーマは、「参加型職場環境改善」(94~04)、「家族計画」(94~03)、「女性」(97、98)、「組織統合」(04、05)、「労使関係(団体交渉、労働法含む)」(06~10)、「労使関係・青年労働者」(12、13)、「労使関係・労働政策」(13、16)。

日本のODA方針

  • 2050年には世界第4位の人口大国になると予想されているパキスタンが潜在力を発揮できるようにするため、安定的な社会状況を確保しつつ、民間主導型の経済成長の実現を支援する。
  • ①経済基盤の改善、②人間の安全保障の確保と社会基盤の改善、③国境地域等の安定・バランスのとれた発展の3つを重点とする。