ネパールの基本情報

面積 14.7平方キロ (日本の0.39倍)(CIA調査)
人口 29,033,914人 (July 2016 est.)(CIA調査)
首都 カトマンズ(118万3000人、2017世界年鑑)
主要都市 ポカラ(26万5000人)、パタン(22万7000人)(2017世界年鑑)
主要言語 ネパール語
民族 パルバテ・ヒンドゥー、マガル、タルー、タマン、ネワール等
宗教 ヒンドゥー教、仏教、イスラム教
GDP 約243億ドル(2016/2017年度、ネパール財務省)
一人当りGDP 約848ドル(2016/2017年度、ネパール財務省)
労働力人口 1,593万人(2015年ILO)
産業別分布(%) 農林業31.3%、貿易14.8%(2015年、(公財)国際金融情報センター各国情報より)
IL0中核8条約要 批准7条約、未批准1(87)
通貨 1ルピー=約0.91円(2015/2016年度当初9ヶ月間平均値、ネパール中央銀行)
政治体制 連邦民主共和制
国家元首 ビディヤ・デビ・バンダリ大統領
議会 制憲議会(1院制)
行政府 シェール・バハドゥル・デウバ首相、26省
主な産業 農業、カーペット、既製服、観光
対日貿易 輸出49億円 輸入14億円(2016年財務省「貿易統計」)
日本の投資 約209万ドル(2015/2016年度、ネパール産業局統計)
日系企業数 45社(外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成28年要約版)
在留邦人数 1,088人(外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成28年要約版)
気候 亜熱帯性気候。6~9月雨季
日本との時差 -3.25時間
社会労働情勢概要 ・懸案だった新憲法が2015年にようやく公布された。この規定に基づき、立法議会における首相投票の結果、K.P. シャルマ・オリ・ネパール共産党(CPN-UML)委員長が新首相に選出された。しかしながら、
与野党の対立により、2016年7月、オリ首相が辞任を表明。同年8月、プシュパ・カマル・ダハール(プラチャンダ)ネパール共産党マオイスト・センター(MC)議長が首相に選出され、新政権が発足した。
・ネパールの経済は、農業が主な支えで、人口の80%が農業中心に生活し、GDPの4割は農業活動による。
・国内の雇用機会が限定されているため、労働力の大半がインフォーマルセクターで働く。隣国のインドやアセアン諸国、中東諸国など国外への出稼ぎ労働者の送金が大きな収入源となっている。
・労働組合はITUC加盟の3つのナショナルセンターがあり、最近では加盟組織協議会を結成するなど共同行動を行っている。
主な中央労働団体 ネパール労働組合会議(NTUC:Nepal Trade Union Congress)
ネパール労働組合総連盟(GEFONT:General Federation of Nepales Trade Union )
全ネパール労働組合連盟(ANTUF:All Nepal Federation of Trade Union)
労働行政 労働運輸管理省(Ministry of Labour and Transport Management)
中央使用者団体 ネパール商工会議所連合会(FNCCI)(Federation of Nepalese Cahmber of Commarce and Industty
最終更新日 2017年 6月 28日
主要統計
(GDP)
201120122013201420152016
GDP成長率 3.53.63.40.566.94
一人当りGDP(ドル) 706656762752848
物価上昇率 (%) 7.49.97.29.99.9
失業率 (%)

1.国家としての成立過程(第二次大戦以降、現在まで)

事項
1946年 インドで全インド・ネパール国民会議派結成
1947年 全インド・ネパール国民会議派とゴルカ会議派が合併、ネパール国民会議派結成
1949年 インドでネパール共産党が結成
1950年 国民会議派と民主会議派が合併、ネパール会議派(コングレス党)結成。国軍反乱計画発覚、国王のインド亡命
1951年 王政復古
1959年 マヘンドラ国王が新憲法発布・選挙実施
1960年 軍事クーデターにより議会解散
1962年 国王専制。政党の禁止、ヒンズー国教化
1990年 民主的な新憲法制定
1994年 ネパール共産党統一毛沢東主義派(マオイスト)結成、「人民戦争」を開始(96〜)
2001年 王宮で国王など王族殺害事件
2006年 民主化運動高まる。政府とマオイスト、無期限停戦を誓う「包括和平協定」調印
2007年 暫定憲法成立
2008年 制憲議会発足
2008年 王制廃止、連邦民主共和制に移行
2012年 制憲議会が憲法制定に至らず任期満了
2013年 制憲議会選挙実施
2014年 制憲議会発足、コングレス党コイララ氏、首相就任
2015年 新憲法公布
ビドヤ・デビ・バンダリ氏大統領就任

 1996年よりネパール統一共産党毛沢東主義派(マオイスト)が武力闘争を行い、政情不安定が続いていたが、2006年に包括和平が成立し、2008年には制憲議会選挙を実施。制憲議会初会合では、王政が廃止され、連邦民主共和制に移行することが決定された。
 その後、制憲議会での憲法策定作業が難航し、2012年5月27日、任期内に憲法が制定されないまま制憲議会が解散。2013年11月19日、憲法制定のための議会再選挙が実施され、2014年1月、制憲議会開会以降、憲法制定に向けた協議が進められ、2015年9月20日に新憲法が公布された。同年10月、新憲法の規定に基づいてオリ新政権が発足するも、その後、与野党の対立により、2016年7月、オリ首相が辞任を表明。同年8月、プシュパ・カマル・ダハール(プラチャンダ)ネパール共産党マオイスト・センター(MC)議長が首相に選出され、新政権が発足した。

2.国家統治機構

新憲法

 2015年7州の連邦制国家とする新憲法案を制憲議会が承認。ヤダブ大統領が公布。大統領は象徴的存在。7州の名称や境界線は新たな委員会が検討する。

元首

  • 大統領。制憲議会で選任、任期2年。
  • 現職 ビドヤ・デビ・バンダリ大統領(2015年)初の女性大統領

議会

  • 制憲議会(一院制)定数601議席。

    新憲法下で2院制への移行が決定。任期4年。

行政

  • 首相 プラチャンダ氏
  • 政府は、首相府、26省庁ほかで構成。

司法

  • カトマンズに最高裁判所。控訴裁判所、地方裁判所の三審制。

3.政治体制

政体

  • 連邦民主共和制

主な政党

コングレス党
(ネパール会議派)
(196)
1950年設立。 社会民主主義。
親インド路線。
ネパール共産党統
一毛沢東主義派(マオ派)
(UCPN(M))(80)
1994年設立。連立与党。毛沢東思想政党。プラチャンダ首相を輩出。
ネパール共産党統
一マルクス・レーニン主義派
(175)

1991年設立(CPN–UML)- 1978年設立。

4.人口動態

  • 人口は1940年代までは約500~600万人程度であったが、1970年代から増加。1991年には1,800万人を上回り、現在では3,000万人を超えている。
  • 人口増加率は2010~2015年は1.7%で、2030年には人口4,060万人に達すると予測されている。また合計特殊出生率は2010~2015年は2.7と推測される。
  • 2010年の平均年齢は21.6歳で、人口に占める若年層の割合が多い(UNDP人間開発報告書2010)。

5.産業構造と就業構造

主要産業

  • 農業、カーペット、既製服、観光など。

就業者数

  • 就業者数1,545万人(ILO2015年)
  • 2015年には52万人が外国で就労している。地方から首都カトマンズへ、カトマンズから外国へと労働者が移動しており、高学歴労働者の頭脳流出問題も顕在化している。
  • インフォーマルセクターでは、多くの児童労働が見られる。今後、国内で雇用創出の可能性があるのは、農業、観光、工業、インフラ事業などである。

6.経済状況

経済情勢

  • ネパール経済では、海外からの送金の役割が極めて大きい。ネパール人の30%が海外からの送金を受領していると言われる。
  • GDPの約31.2%及び就労人口の約66%を農業に依存。また、製造業の割合が14.8%と低く工業化の進展が遅れている。一人当たりGDP約762米ドル(2014、ジェトロ国別情報)

7.支援組織、国際産業別労組(GUFs)の活動

現地協力・支援活動実施

  • 日本JILAF、米国ACILS、スウェーデンLO-TCO、ベルギーWSM、などがプロジェクトを展開している。

現地事務所設置

  • オランダのFNV、フィンランドのSAKが、ネパール事務所を設置している。

JILAF現地事務所

  • JILAFはカトマンズに現地連絡事務所を設置し、インフォーマルセクターの労働者や、その家族の支援活動などを推進している。

8.組合活動

ナショナルセンター

  • ネパールのナショナルセンターは、ネパール労働組合会議(NTUC)、ネパール労働組合総連合(GEFONT)、 ネパール総労働組合連盟(ANTUF)の3組織がITUC(国際労働組合総連合)に加盟し同総連合ネパール協議会(ITUC-NAC)を形成している。
  • また、その他の政府に登録されている8つの組合を含めて労働組合協同調整センター(JTUCC, Joint Trade Union Coordination Centre)が作られている。
  • 代表的なナショナルセンターであるネパール労働組合会議(NTUC)の活動の主要課題は、以下の通り。

    ①労働組合の力量構築・強化②組織化、キャンペーン活動③教育計画を通して児童労働・奴隷労働の根絶④職業安全衛生の向上⑤女性の権利の向上⑥ILO条約、特に第87号条約の批准促進⑦[労働法」の改正

産業別の状況

  • 25産別(主要産業別業種)①印刷関係②交通③リキシャ関係④カーペット産業⑤美容師・美容⑥商業⑦公共サービス⑧工場労働者⑨農業

9.労使紛争の状況

  • 賃金・労働条件に関する個別的労使紛争は、政府の公式な数字が発表されておらず、把握できない。
  • 労働法上、労働裁判所の活用、団体交渉、ストライキは、憲法に反する事項、根拠なく他者を誹謗する内容は「労働争議」として認められない。
  • ストライキは、団体交渉が不調に終わった場合に実施可能となっている。ただし、従業員の60%以上の同意および経営側に対する文書の通知が必要である。
  • ストライキに対し経営側はロックアウトの実施が可能である。

10.最低賃金制度と労働・社会保障法制

最低賃金

  • 国レベルでの三者構成委員会で最低賃金を協議しているが、適用されるのはフォーマル部門に所属する労働者の最低賃金月額9,700ルピー(約90USドル)である。農業分野と建設分野を含むインフォーマルセクターの労働者の賃金は、地方政府(郡行政局)が決めている。また、茶農園で働く労働者の最低賃金は、他の分野よりも低く、日額253ルピー(約2USドル)である。毎年10%のインフレ率につき、最賃をどのように設定するのか問題となっている。

労働・社会保障法制

  • 労働に関する法律は、以下の通りである。
    「労働組合法」、「労働委員会法」、「労働法」、「労働基準法」、「外国人雇用法」、「失業保険法」

11.その他

JILAFの事業

  • 招へい事業
    1989年から招へい事業を開始。今日までに、南アジアチーム、ネパール・パキスタンチームなどの参加 者として、65人(男性50人、女性15人)の若手労働組合指導者を招へいした(2016年度末現在)。
  • 現地支援事業
    ①教育セミナー
    1994年から現地での教育セミナー実施。テーマは、「労災保険」(94、95)、「団体交渉」(96)、「社会保障」(97)、「参加型職場環境改善」(00~10)、「グローバル化と労働運動」(13)、「労使関係・労働政策」(13~16)を実施。このうち、2013年度は新たに結成されたITUC-NAC(NTUC、GEFONT、ANTUF)を対象に実施した。
    ②学校プロジェクト
    NTUCと協働で児童労働撲滅のための学校プロジェクト(9校)
    ③インフォーマルセクター草の根支援事業(SGRA)
    2011年より、NTUCと共同で、インフォーマルセクターの労働者や、その家族を支援するセミナーや職業訓練などの事業を実施している。

日本のODA方針

  • LDC(後発開発途上国)からの脱却を目指した持続的かつ均衡のとれた経済成長への支援を基本方針とする。経済成長を促進し、国民全体にその恩恵を行き渡らせることにより社会を安定化させるという同国の取り組みを支援する。
  • ①地方・農村部に多い貧困層に配慮した貧困削減に対する支援、②平和構築、民主化の進展、③持続可能で均衡のとれた経済成長に寄与する社会基盤・制度整備のための支援の3つを重点分野として取り組む。