台湾の基本情報

面積 3.6万平方キロ(日本の0.1倍)(CIA調査)
人口 23,464,787人 (July 2016 est.)(CIA調査)
首都 台北(270万5000人)(2017世界年鑑)
主要都市 新北397万人、高雄278万人(2017世界年鑑)
主要言語 北京語、福建語、客家語
民族 漢族98%、少数民族2%
宗教 仏教、道教、キリスト等
GDP 5,289億米ドル(2016年,台湾行政院主計處)
一人当りGDP 22,495米ドル(2016年,台湾行政院主計處)
労働力人口 就業者数1,154万人(2015年ILO)
産業別分布(%) 製造業30.2%、卸・小売15.8%、不動産8.1%、金融・保険6.5%(2015年、(公財)国際金融情報センター各国情報より)
IL0中核8条約要 (ILO非加盟)
通貨 1米ドル=32.318新台湾ドル(2016年年平均,台湾中央銀行)
政治体制 民主共和制
国家元首 蔡英文総統
議会 立法院
行政府 行政院:林全院長(首相)、9省
主な産業 電機・電子、鉄鋼金属、繊維、精密機械原料、機械
対日貿易 輸出4兆2677億円 輸入2兆4953億円(2016年財務省「貿易統計」)
日本の投資 2261億円(財務省「国際収支統計」(平成28年))
日系企業数 1,125社(外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成28年要約版)
在留邦人数 20,162人(外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成28年要約版)
気候 北部は亜熱帯、南部は熱帯3-9月雨季
日本との時差 -1時間
社会労働情勢概要 ・2016年の第14回総統・副総統選挙で、民主進歩党の蔡英文主席が当選し、台湾初の女性総統となった。同時に行われた第9回立法委員選挙でも、民進党が初めて単独過半数を獲得した。
・経済は中国との緊密化が特徴。高成長を支えた製造業は大陸進出で空洞化の恐れ指摘も。IT、半導体などのハイテク産業が支えているが、今後の成長にはさらなる産業の展開が必要との観測がある。
・人口は2,300万人強。このうち、約1,100万人が労働力人口で、約6割がサービス業。女性、高齢者の労働力率が低い傾向。
・ストライキは減少し、個別労使紛争が増加。労使紛争処理の促進が課題。
・労働組合は、従来のナショナルセンター・中華民国全国総工会(CFL)に加えて、民主化以降、多様化が進み、現在8つ程度に分立。
主な中央労働団体 中華民国全国総工会(CFL:Chinese Federation of Laour)
労働行政 中華民国行政院・労工委員会
中央使用者団体 中華民国全国工業総会、中華民国全国商業総会、中華民国工商協進会
最終更新日 2017年 6月 5日
主要統計
(GDP)
201120122013201420152016
GDP成長率 4.12.12.23.80.71.4
一人当りGDP(ドル) 19,98020,22820,70622,59822,28822,495
物価上昇率 (%) 1.41.90.81.2△0.31.4
失業率 (%) 4.44.24.24.03.83.92

1.国家としての成立過程(第二次大戦以降、現在まで)

事項
1945年 国民党政権復活、台湾省
1946年 本土で国共全面内戦
1947年 国民党支配への本省人の反乱(2.28事件)
1949年 本土で中華人民共和国成立、首都機能を北京から台北に移転。蒋介石総統
1972年 日中国交回復。日本と断交、亜東関係協会設立
1975年 蒋介石死去、総統代行・厳家淦
1978年 蒋経国(蒋介石長男)総統
1979年 米中国交回復、米国と断交
1979年 国連加盟は中華人民共和国に移る
1987年 「戒厳令」解除
1988年 蒋経国死去、李登輝代行。政治の民主化が本格化する
1990年 李登輝総統(本省人(台湾系中国人)初)
1993年 李総統、統治範囲を台湾に限定
1994年 憲法改正、総統は国民の直接選挙に
1995年 中国、選挙に軍事威圧(台湾海峡危機)
1995年 李登輝、初の民選総統に
2000年 陳水扁(民主進歩党)総統(~2008年)
2008年 立法院選挙 国民党圧勝
2008年 馬英九(国民党)総統
2008年 国民党副主席訪中、59年ぶり国共トップ会談
2010年 中国と「経済協力枠組協定」(ECFA)を締結(FTAに相当)
2012年 馬英九総統再選。得票率馬総統(国民党)51.5%、蔡英文(民進党)45.6%
2016年 第14回総統・副総統選挙で、民主進歩党の蔡英文主席が当選し、5月には台湾初の女性総統となる。
民進党が初めて単独過半数を獲得。

2.国家統治機構

元首

 総統。直接国民選挙で4年毎に選出。最高権力者であり行政院長(首相)を議会の同意なしに指名でき、行政院長不信任の場合には議会を解散できる。

議会

  • 立法院。一院制で113議席。立法院院長:蘇嘉全
  • 与野党の構成 カッコ内は議席数
    (与党)民進党(68)、
    (野党)国民党(35)、時代力量(5)親民党(3)など

行政

  • 行政院の下に中央官庁(内政部など9部、ほか中央銀行、各部門委員会など)。行政院長:林全,副院長:林錫耀。

司法

  • 最高法院、高等法院、地方法院の三審制。このほか、憲法を扱う大法官会議。

3.政治体制

政体

  • 民主共和制。三民主義(民族独立、民権伸長、民生安定)にもとづく。
  • 総統が実質的な権力を持つ。普通選挙にもとづく議会制民主主義。

主な政党

民主進歩党 国民党に批判的な勢力(いわゆる党外)が結集して設立した台湾史上初めての野党。民主化機運のなか1986年に結成。台湾独立を党綱領に掲げる。
中国国民党 1894年に孫文が結成した興中会が前身。1949年、本部を北京から台北に移動。同党出身の歴代総統に、蒋介石、蒋経国、李登輝、馬英九(現職・党主席)。当初は「大陸反攻」を掲げていたが、近年は、融和路線を推進。2012年の立法院選で議席は減らしたが過半数を維持(64議席/定数113議席)
時代力量 時代力量は、日本語で「時代の力」を意味する。主席(党首)は運動を主導した法学者の黄国昌。2016年1月の2016年中華民国総統選挙では、党からは候補を出馬させず、民進党の蔡英文を推薦し、当選を後押しした。
親民党 2000年結成。宋楚楡主席。立法院に3議席。
無党団結連盟 2004年結成。

4.人口動態

  • 2015年の人口は2,346万人(世界銀行)。
    人口は1950年代末に1,000万人を超え、1989年に2,000万人を上回り、緩やかに増加。2013年は人口の50.01%が女性、49.99%が男性と、女性がはじめて上回る。これは男性の死亡率が比較的高いこと、中国大陸籍の女性配偶者が台湾戸籍に登録したことなどによる。
    年齢別では、年少人口(0~14歳)が総人口の14.3%、生産年齢人口(15~64歳)が74.2%、老年人口(65歳以上)が12.0%。合計特殊出生率は1.12と世界でもっとも低い。(2014年)

5.産業構造と就業構造

主要産業

  • 電気電子部品、コンピューター・オーディオ、化学製品、一般機械、石油・石炭製品などが中心。

就業者数

  • 2015年の就業者数は1,154万人に増加した。しかし、コスト削減、生産の規模拡大、また競争力の維持のために人件費が安い中国への積極的な投資を行ない、生産拠点を中国に移している。

6.経済状況

経済情勢

  • リーマンショック後、台湾は世界の中で最も迅速かつ劇的に景気回復を遂げ、年率10%を超えるプラスに転じた。理由としては相続税の大幅な引き下げによる(50%から10%まで)。このことは海外に分散投資している資金、台湾人や華僑の資金を戻す意図があったとされる。しかし、その後は、低成長がつづき、2014年も政府目標の2.6%達成が危ぶまれている。
     馬英九政権は急速に中国との関係改善を進め、中国への積極的な投資が進められてきた。輸出に占める中国の割合は4分の1を超えており、経済の成熟化とあわせ、「産業空洞化」に陥っているとの見方もでてきている。現在はコンピューターなどのIT産業が経済を支えているが、持続的成長のためには、それに続く産業の育成が課題である。

所得の動向等

  • 一人当りGDPは2万2,598ドルとOECD(経済協力開発機構)にも加盟していてもおかしくないほどの所得水準に達している。

7.支援組織、国際産業別労組(GUFs)の活動

現地協力・支援活動実施

  • 労組支援組織による協力・支援活動は行われていない。

GUFsの活動

  • 台湾の産業別労組の多くはGUFsのメンバーとして活動している。

8.組合活動

ナショナルセンター

  • 2000年に民進党政権となり自主労働組合の設立を認める「総統令」が公布。
  • その後、ナショナルセンターの多様化が進む。ITUC加盟の「中華民国全国総工会(CFL)」は23の企業総工会(大企業・官庁産別)、18の職業総工会(中小企業労組地域組織)、17の県・市レベルの組織があり、国民党系といわれる。
  • このほか、民進党系とされる「全国産業総工会」をはじめ、「台湾総工会」、「中華民国全国連合総工会」などあわせて8つ程度の組織があるとされる。
  • 組織率は企業別労組(産業工会)が15%程度、自営業対象の保険事業も含む地域別労組(職業工会)が52%程度(2010年)。

9.労使紛争の状況

  • 台湾の労働紛争は、ほとんどが権利紛争事項に関するものである。改正法の施行は2011年であるが、その前後の紛争件数を分析すると、権利紛争事項に関する労働紛争が労働紛争件数の98%以上を占めていることがわかる。
     権利紛争事項の中身を詳細に見ていくと、一番件数の多い項目は「賃金」である。以下、「解雇手当」、「契約」と続いている

権利紛争事項と利益紛争事項の件数

(単位:件、%)

合計 権利紛争事項 利益紛争事項
2008 24,540 24,230(98.7%) 310
2009 30,385 29,807(98.1%) 578
2010 23,865 23,595(98.9%) 270
2011 22,629 22,447(99.2%) 182
2012 23,224 23,088(99.4%) 136
2013 23,927 23,686(98.9%) 241

資料出所:労働部「勞働統計」(http://laws.mol.gov.tw/、2014年9月25日)。

10.最低賃金制度と労働・社会保障法制

最低賃金

  • 最低賃金は行政院労働者委員会(労委会)で審議され、行政院で決定される。
  • 改定状況をみると過去数年間にわたり5%前後の引き上げをしている。2015年の月額最低賃金は、2万8台湾元に、時間額は120台湾元にそれぞれ改定された。労働部は今回の改定により約232万人の労働者が恩恵を受けるとしている。
    規定に違反した雇用主には、最高30万元(約120万円)の罰金が科されるほか、関係機関により企業名や経営責任者の氏名などが公表される。
台湾の法定最低賃金額の推移

(単位台湾元、%)

月給 時給 上昇率
2012年 18,780 103 5.1
2013年 19,047 109 5.8
2014年 19,273 115 5.5
2015年 20,008 120 4.3

資料:台湾労働部

労働・社会保障法制→「アジア労働法データベース」

  • 「工会法」(労働組合法・2011年、2016年改正)*
  • 「労働協約法」(1932年、2011年改正法施行)*
  • 「労資争議処理法」(1987年、2011年改正法施行)*
  • 「労働基準法」(1984年、2009年、2016 年改正)
  • 「男女雇用機会均等法」(2002年、2008年改正)
  • 「労働安全衛生法」(2002年)
  • 「労働保険法」(2009年)
  • 「雇用保険法」(2009年)
  • 「国民年金法」(2008年)

11.その他

JILAFの事業

  • 招へい事業:1991年からはじめる。1992年、2004年、2006年に合わせて7名(男性6名、女性1名)の若手労組指導者を招へい。
  • 台湾の労働組合はITUC-APに加盟しており、JILAFは、連合を通じて、また、国際的な支援組織の会合などを通じて、交流を続けている。1991,92年には日本に代表を招いている。
  • 台湾の使用者の3団体は、いずれもアジア太平洋地域の使用者団体(CAPE)には加盟していない。

APO(アジア生産性機構)

  • 台湾はAPOのメンバーであり、労使は、同国の加盟組織で「中国生産性中心」を通じてその活動に参加している。APO(山崎隆一郎理事長=当時)は、2012年、50周年記念総会を台北で開催し、アジア太平洋地域の生産性と持続的・包括的発展に向けて、「台北宣言」を発表している。