香港の基本情報

面積 1,108平方キロ(東京都の約半分)(CIA調査)
人口 7,167,403人 (July 2016 est.)(CIA調査)
首都
主要都市
主要言語 広東語、英語、北京語
民族 中国人が95%
宗教 仏教、道教、キリスト等
GDP 3,092億米ドル(2015、香港政府統計処)
一人当りGDP 42,327米ドル(2015、香港政府統計処)
労働力人口 387万人(2015年ILO)
産業別分布(%) サービス業90.0%(貿易 18.0%、金融・保険16.8%、不動産・法人サービス10.6%(2015年、(公財)国際金融情報センター各国情報より)
IL0中核8条約要
通貨 香港ドル(HKD) 1HKD=13.41円
政治体制 中国特別行政区(一国二制度)
国家元首 習近平・中国国家主席
議会 立法会(一院制)
行政府 行政院:江宜樺院長(首相)、9省
主な産業 金融業、不動産業、観光業
対日貿易 輸出3兆6515億円 輸入2兆1231億円(2016年財務省「貿易統計」)
日本の投資 9830億円(財務省「国際収支統計」(平成28年))
日系企業数 1,125社(外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成28年要約版)
在留邦人数 27,429人(外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成28年要約版)
気候 熱帯夏雨気候、4-9月雨季
日本との時差 -1時間
社会労働情勢概要 ・コモンロー(英米法系)の透明な法制度や、簡素で低率の税制(法人税16.5%、個人所得税最高税率15%、キャピタルゲイン・利子非課税)などが香港経済の特徴であり、こうした制度的・社会的インフラを基礎として国際金融及び物流の拠点としての地位を築いている。
・製造業拠点は1990年代前半までに中国本土への移転が進み、GDPに占める製造業の割合は約6%。貿易、金融、不動産、観光、流通などのサービス産業がGDPの90%以上を占める。
・代表的な政党は、民主派では民主党、親中派では民建連。
・経済は金融と物流の国際拠点として成長。貿易、金融、流通、観光などのサービス業がGDPの90%以上。製造業は、本土移転が進み、6%程度。
・自由主義経済の流れが強いが、2011年にはじめて最低賃金制度を施行。定着に向けて、三者構成を活用した取り組みが進行。
主な中央労働団体 香港労働組合連盟(HKCTU:Hong Kong Confederation of Trade Unions)
香港・九龍労働組合評議会(HKTUC:Hong Kong & Kowloon Trade Union Coundil)
労働行政 中華民国行政院・労工委員会
中央使用者団体 中華民国全国工業総会、中華民国全国商業総会、中華民国工商協進会
最終更新日 2017年 6月 5日
主要統計
(GDP)
201020112012201320142015
GDP成長率 6.84.91.53.02.322.4
一人当りGDP(ドル) 32,42934,97136,67638,60539,87142,327
物価上昇率 (%) 2.45.34.13.54.422.4
失業率 (%) 4.33.43.33.23.233.3

1.国家としての成立過程(第二次大戦以降、現在まで)

事項
1945年 日本軍占領終了、英国復帰
1946年 国民党、英国に香港返還要求も実現せず
1946年 本土で国共内戦
1949年 本土で中華人民共和国成立。本土から多数の企業、資本家が香港に移転
1950年 英国、中華人民共和国承認
1960年代 輸出型軽工業発展、「アジアの四龍」へ
1967年 本土で文化大革命、香港暴動発生
1982年 中国登小平主席、英国サッチャー首相と会談、香港返還を要求
1984年 中英共同声明、香港返還確定。移民ブーム
1990年 「香港基本法」50年間の「一国二制度」など
1992年 パッテン英総督就任、直接選挙推進など
1997年 香港返還。董建華初代行政長官
1997年 ICFTU、香港連絡事務所(IHLO)設置
1997年 アジア通貨危機、香港経済に打撃
1998年 第1回立法会選挙、親中派過半数
2012年 行政長官選挙と立法会選挙。梁振英行政長官(親中派2人の選挙)。議会では親中派過半数
2012年 返還15年式典に胡錦濤主席参加、民主化を求める大規模デモ
2014年 中国全人代常務委員会が香港行政長官選挙制度改革に関する決定を行い、 翌年、同決定の内容を具体化した改革案が香港立法会に提出されたが、否決。

2.国家統治機構

元首

中国・習近平国家主席

議会

  • 立法会(香港特別行政区立法会)
  • 一院制で70議席。このうち35議席が直接選挙。35議席は職能団体等選出。2012年立法会選では、民主派が重要案件の否決に必要な三分の一を上回り発言権維持。
  • 「香港基本法」は「2007年以降、全議席を直接選挙枠に移行できる」としており、民主派はそれを強く要求しているが実現せず。2016年立法会選挙の焦点。
  • 議会構成(院内会派、カッコ内は議席数) (与党系・親中派)43 民主建港協進連盟(13)、経済民主連盟(7)、工会連合会(6)、自由党(5)など (野党系・民主派)27 公民党(6)、民主党(6)、工党(4)、人民力量(2)、公共専業連盟(2)など

行政

  • 香港政府のトップは行政長官であり、その下の「行政会議」が重要決定を行う。中央官庁は「政府総部」と「執行部門」で構成される。
  • 「政府総部」には12の部門(決策局)があり、労働行政は、「労工および福利局」により行われる。「執行部門」は、警察、入管、税務、税関などの部門よりなる。

司法

  • 最高裁、高裁、地裁の三審制。

中国中央政府との関係

  • 香港の外交、防衛は中国中央政府が担当し、香港の自治には含まれない。香港に中央政府代表部が置かれ、人民解放軍香港部隊が派遣されている。
  • 行政庁長官は選挙人による間接選挙で選ばれ、中国中央政府が任命する。主要閣僚など高官は行政長官が指名し、中央政府が任命する。

3.政治体制

政体

  • 中華人民共和国・香港特別行政区。
  • 「香港基本法」(1990年)による「一国二制度」により制限はあるが民主主義と三権分立が規定されている。

主な政党

民主建港協進連盟
(民建連)
1992年、民主派に対抗し、本土系の労働組合、教員などを基盤に結成。事実上の最大与党であり現在は香港最大の政党。政策は中国中央政府に近く、反政府運動を取り締まる治安条例に賛成、本土系商工業者の支持も受ける。シンガポール人民行動党をモデルとも。譚耀宗主席。
民主党 香港の民主派を代表する政党。1994年に、香港民主連盟(1990)、匯點(1983)を統合して発足。2008年には「前線」と統合。返還前には優勢であったが、最近は、内部分裂や抗争などで影響力が低下、2012年の立法会選挙では6議席まで縮小。区議会では、直接選挙枠では最多の79議席を持つ。劉慧卿主席。
経済民主連盟 2012年、親中派の財界を主体に設立された。
公民党 2006年、普通選挙の完全実施など全面的な民主化を求める政党として発足。2007年の行政長官選挙では、梁家傑氏(立法会議員・弁護士)を擁立。陳家洛主席。
自由党 1991年選挙での民主派の圧勝に危機感を抱いた財界人などにより1992年結成。新自由主義政策。1993年に現在名に改称。劉健儀主席。

4.人口動態

  • 2015年の香港の人口は前年同期から0.4%(3万人)増の729万人となった。出生率も2010~15年で10.1%と高い。
  • 香港島北部の住宅地と九龍半島に人口が集中している。香港全体の面積の12%弱の地域に、香港総人口の半数にあたる約340万人が居住している。
  • 人口のうち最も多いのは「華人」と呼ばれる中国系で、全体の93%。次いで、メイドなどの就労が多いフィリピン人やインドネシア人などが続く。

5.産業構造と就業構造

主要産業

  • 金融業、不動産業、観光業などが中心。

就業者数

  • 2015年の労働力人口は387万人。失業率は3.33%で2010年以降、4%を超えていない。政府見通しでは55歳未満の労働力人口は減少傾向にあり、2018年には労働力不足が20万人に近づくとの推計がある。
  • 人手不足を訴える経営者が半数以上となり、労働力人口は転換点にあるといわれる。

6.経済状況

経済情勢

  • 国際金融および物流の拠点としての地位を築いているが、英国統治以来のインフラの整備が背景にある。
  • 製造業の工場は1990年代前半までに本土移転が進み、GDPでは製造業は約7%で、貿易、金融、不動産、観光等、サービス産業が90%以上である。
  • 2011年からの欧州及び米国経済の低迷,中国本土経済の減速の影響により、景気は減速、中国本土において、2014年以降、経済構造の転換を図る「新常態」への適応が図られていく中、経済は調整局面にある。

所得の動向等

  • 一人当りGDPの増加が続き、2013年に28万5146香港ドル(36,765米ドル)とアジアではトップクラスの一つである。

7.支援組織、国際産業別労組(GUFs)の活動

現地協力・支援活動実施

  • 労組支援組織による協力・支援活動は、ACILS(米国)、LO(ノルウェー)、LO-TCO(スウェーデン)、FNV(オランダ)、CLC(カナダ)が実施している。このうち現地事務所を設置して活動している組織はない。

GUFsの活動

  • GUFsが、加盟組織である台湾の産業別労組などを対象に協力・支援のプログラムを実施している。

IHLO(ITUC香港連絡事務所)

  • 香港の中国返還に伴い、旧ICFTUが現地加盟組織などを支援するため、1997年に設置したもの。ITUCとGUFsが活動を引き継いでいる。

8.組合活動

ナショナルセンター

  • 労働組合のナショナルセンターは、ITUC加盟で民主派の香港労働組合連盟(HKCTU)、香港・九龍労働組合評議会(HKTUC)がある。また、中国本土系の香港工会連合会(HKFTU)がある。
  • 香港労働組合連盟(HKCTU)は香港民主派系、国際労働基準の尊重と政治の民主化を求めている。
  • 香港・九龍労働組合評議会(HKTUC)は台湾国民党系。孫文の「三民主義」に立脚している。
  • 香港工会連合会(HKFTU)は本土系。中華全国総工会と密接な関係を持つ。

9.労使紛争の状況

  • 労使紛争の解決は、1)当事者の協議を通じた解決、2)労働行政(労工処)による調停・仲裁、3)労資裁判所などのステップで行われる。労資裁判所は利益紛争を扱う。
  • 今日では個別労使紛争が増加しているが、2013年3月には港湾労働者450人が賃金・労働条件の改善を求めてストライキを行った。労働行政の仲立ちを経て、賃金引上げや職場環境改善などにより、40日で収束。

10.最低賃金制度と労働・社会保障法制

最低賃金

  • 香港は2011年5月から最低賃金制度を導入した。当初は1時間当たり28HKドルだったが、2年後の昨年5月に同30HKドルに引き上げられた。現行の法定最低賃金は1時間当たり32.5香港ドル(約420円)。
  • 対象は、「雇用法」(労働基準などを定めた法律)に規定される継続的な雇用(月給、日給、臨時労働者、パートタイム)、ならびに「雇用法」では規定されていない労働を含む。ただし住み込みの家政婦、「最低賃金法」に定義されるインターン学生には適用されない。
  • また、最低賃金法は身体障害者、健常者に同様に適用され、身体障害者は生産性評価受けるかを選ぶことができるよう特別な配慮も最低賃金法によりされている。評価を受けるかどうかを選ぶ権利は身体障害をもった労働者にのみ与えられ、雇用主には与えられていない。
労働・社会保障法制
  • 主な労働・社会法制は次の通りである。
    「労働組合法」(2000年)
    「雇用法」(1990年、2000年改正)
    「労働安全衛生法」(2000年)
    「破産時賃金補償法」(2000年)
    「労働者補償法」(2000年)
    「最低賃金法」(2011年)
  • 1970年代に一連の労働法改正があり、2000年に「雇用法」などの改正が行われた。2011年のメーデーには懸案の「最低賃金法」が施行された。

11.その他

JILAFの事業

  • 招へい事業は1989年から実施。これまでに、76人(男性49人、女性27人)の若手リーダーを招いている。(2016年度末現在)
  • 招へい事業のそれまでの参加者を対象に現地で実施する「普及セミナー」を2012年に実施した。(41人)