タイの基本情報

面積 513万1200平方キロ(日本の1.36倍)(CIA調査)
人口 68,200,824人(CIA調査)
首都 バンコク(870万3000人、2017世界年鑑)
主要都市 ナコンチャンマ250万人、サマットプラカン205万3000人、チェンマイ171万7000人(2017世界年鑑)
主要言語 タイ語
民族 タイ族、華僑、マレー、山岳少数民族
宗教 仏教、イスラム教
GDP 4,069億ドル(名目,2016年,国家経済社会開発庁(NESDB))
一人当りGDP 6,033ドル(2016年,NESDB)
労働力人口 3,991万人(2015年ILO)
産業別分布(%) 製造業28.1%、卸売・小売業14.6%、運輸・倉庫・通信業10.2%、農林水産業6.8%(2015年、(公財)国際金融情報センター各国情報より)
IL0中核8条約要 批准5条約、未批准2条約(87号、98号、111号)
通貨 1ドル=約34.25バーツ(2015年平均)
政治体制 立憲君主制
国家元首 マハ-・ワチラロンコン・ボテインタラーテーパヤワランクーン国王陛下(ラーマ10世王)
議会 二院制
行政府 プラユット・ジャンオーチャー首相
主な産業 農業・製造業・観光業
対日貿易 輸出2兆9744億円 輸入2兆1896億円(2016年財務省「貿易統計」)
日本の投資 9655憶円(財務省「国際収支統計」(平成28年))
日系企業数 1,725社(外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成28年要約版)
在留邦人数 67,424人(外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成28年要約版)
気候 熱帯モンスーン気候、5~10月雨期
日本との時差 ‐2時間
社会労働情勢概要 ・タイ経済は、リーマンショックと大洪水という二度のショックを乗り越え、その堅調ぶりが注目されている。大洪水直後に大幅に落ち込んだ輸出と投資はV字型回復を遂げており、個人消費も拡大傾向が続いている。
・整ったインフラや、幅広い産業集積の存在が、タイの強みであり、今後も、中期的に4~6%程度の成長率を維持できる可能性が高いが、長引く政治的混乱が懸念材料となっている。2016年8月に実施された国民投票により新憲法案が可決された。2017年4月,新憲法が発布された。
・労働力人口は約3,986万人、その6割はインフォーマルセクターで就労。農業、漁業、自営業、行商など、『労働法』の保護対象外の仕事に従事している。
・最低賃金は、2013年1月内全地域で日給300バーツ(約1,000円)に改定されて以来、変わっていないが、タイバーツ安で生活費の高騰に加え輸入品の物価の上昇予想、干ばつの影響などから、最低賃金改定の声が強くなってきている。
・労働組合は13のナショナルセンターが存在し、うち4ナショナルセンターがITUCタイ協議会(ITUC-TC)を形成。
主な中央労働団体 ITUCタイ協議会 (ITUC-TC)
全国民間産業労働者会議(NCPE: National Congress of Private Industrial Employees)
国営企業労働連盟(SERC: State Enterprises Workers Relations Confederation)
タイ労働会議(LCT: Labour Congress of Thailand)
タイ労働組合会議(TTUC: Thai Trade Union Congress)
労働行政 労働省 (MOL: Ministry of Labour)
中央使用者団体 タイ経営者連盟(ECOT: Employers' Confederation of Thailand)※このほか、12の経営者連盟あり
最終更新日 2017年 6月 5日
主要統計
(GDP)
201120122013201420152016
GDP成長率 0.17.32.80.92.83.2
一人当りGDP(ドル) 5,3955,7755,8785,4455,8786,033
物価上昇率 (%) 3.183.02.21.9△0.90.2
失業率 (%) 0.680.660.720.840.91.0

1.国家としての成立過程(第二次大戦以降、現在まで)

事項
1949年 国号「タイ」宣言
1950年 プミポン国王載冠(即位は1946年)
1958年 クーデターによる軍事独裁政権
1967年 ASEAN設立メンバーとして加盟
1973年 学生市民軍事政権打倒
1976年 ターニン政権発足・軍事政権復活
1992年 暗黒の5月事件
2001年 タクシン政権誕生
2006年 解散総選挙、裁判所違憲判決。クーデターののち、総選挙。タクシン派政権
2008年 政権に違憲判決、アピシット民主党政権
2010年 タクシン派行動、軍と衝突。90人以上死亡
2011年 総選挙実施、インラック政権(タクシン派)
2013年 反政府デモ激化、「治安維持法」発動
2013年 下院解散総選挙を発表
2014年 反政府派、バンコクシャットダウン行動
総選挙実施も憲法裁判所は同選挙を無効と判決。7月に暫定憲法,8月に立法会議及び暫定内閣
2015年 バンコク中心部で爆発事件が発生し,多数の死傷者。
2016年 プミポン・アドゥンヤデート国王(ラーマ9世王)死去

2.国家統治機構

元首

 国王が国家元首。神聖不可侵であり、仏教徒であり宗教の擁護者と規定されている。またタイ王国軍の総帥の地位にある。

議会

  • タイの国会は、「国民議会」と呼ばれ、上院の「元老院」と下院の「人民代表院」で構成された二院制。下院の「人民代表院」の方が優位な立場にあり、法案の先議権・発案権を有し、首相・閣僚の不信任決議などを採択することが可能。

行政

  • 首相が最高責任者である。

司法

  • 司法権は中央高等裁判所が持つ。高等裁判所の裁判官は国王による任命制である。

3.政治体制

政体

  • 立憲君主制

主な政党

タイ貢献党 プアタイ党とも呼ばれる(時代によって名前の変化あり)。2011年の総選挙で過半数の議席を獲得、連立与党(6党連立)の中心政党となった。
タイ国民発展党 以前は民主党政権と連立を組み与党にいたが、今回はタイ貢献党と連立を組み、再度与党になった。
タイ団結国家開発党 以前は民主党政権と連立を組み与党にいたが、今回はタイ貢献党と連立を組み、再度与党になった。
パランチョン党 2011年に新しくできた政党。
大衆党 議席数1の政党。
新民主党 議席数1の政党。
民主党 現存するタイ最古の政党。
ブミチャイタイ党 野党。

4.人口動態

  • 2015年の人口は6,796万人(CIA調査)。
  • そのうち、富裕層200万人(3%)、上位中間層900万人(14%)、下位中間層3000万人(47%)、低所得層が2300万人(36%)となっている。貧困率は1990年には40%を占めていたが、2010年には7.7%にまで下がった。
  • 20歳未満人口は30%以下。若年層人口の割合が少ない。65歳以上が人口の7%を超える高齢化社会に入っている。

5.産業構造と就業構造

主要産業

  • 農業、製造業、観光業が中心。

就業者数

  • 就業者人口は3991万人。つまり、失業者はわずか29万人で、失業率は0.7%と非常に低い。
  • 産業別の就業者は、第一次産業が人口割合で40.7%、第二次産業が13.2%、第三次産業が46.1%である。就業形態では、公務員、国営企業・民間企業従業員などのフォーマル労働者が1500万人(38%)である一方、インフォーマルセクター労働者は2400万人(62%)。
  • 外国人が労働するためには、就労査証による入国後、入国管理局から就労のための滞在許可を得た上で、労働省から労働許可を受けなければならない。労働許可を得てタイ国内に在住する外国人は、ミャンマー、ラオス、カンボジアからの3か国で合計約133 万人が労働許可を取得しており、内訳はミャンマーが約98万人と全体の約7割強を占める。

6.経済状況

経済情勢

  • 政治的な混乱により2014年の実質成長率は前年より低下したが、その後2015年は2.8%の成長率を確保している。2016年第3四半期の実質GDP 成長率は3.2%となっている。

所得の動向等

  • 一人当りGDPは、5,742米ドル(2015、ジェトロ世界貿易投資報告)

7.支援組織、国際産業別労組(GUFs)の活動

現地協力・支援活動実施

  • 日本JILAF、ドイツFES、米国ACILS、豪州APHEDA、フィンランドSASK、ノルウェーLO、スウェーデンLOが支援プログラム展開。

現地事務所設置

  • 支援組織のうちFES、ACILSは事務所を設置している。

JILAFタイ事務所

  • バンコクに事務所を設置し、インフォーマル労働者と家族支援などを展開(関口輝比古所長)

8.組合活動

  • 労働組合を設立するためには、1975年「労使関係法」の規定にもとづき、同一使用者または同一産業に従事しているタイ国籍を有する10人以上の労働者が発起人になって、登記申請を行う。
  • 同一使用者又は同一産業を基盤とする2以上の労働組合は、労働組合連盟を結成することが可能である。
  • さらに、15以上の労働組合又は労働組合連盟は、ナショナルセンターを設立することが可能である。
  • 現在タイには13のナショナルセンターがあり、うち4組織(全国民間産業労働者会議/NCPE、国営企業労働連盟/SERC、タイ労働会議/LCT、タイ労働組合会議/TTCU)はITUCタイ協議会(ITUC-TC)に加盟している。

ナショナルセンター

 ITUCタイ協議会加盟ナショナルセンターの活動は以下の通り。

<LCT>
  • 労働運動統一
  • 職場の安全衛生
  • 公正な最低賃金
<TTUC>
  • 加盟組合員に対する法律相談
  • インフォーマルセクター労働者への法律相談・組織化
  • 移民労働者への支援活動
<NCPE>
  • 組合員、コミュニティを対象とした協同組合の設立
  • グリーンジョブ
  • 国民年金制度の改善に向けたロビー活動
<SERC>
  • 民営化反対闘争
  • メーデー
  • タイ国内の移民労働者支援

産業別の状況

  • 2013年10月にタイ産業労働組合総連合(CILT)が結成された。
  • CILTはタイのインダストリオール加盟組織であるTEAM(タイ電機機器・電子・自動車・金属労働者連合)、ICEMタイ協議会、TWFT(タイ繊維・被服労働者連合)と、ALCT(タイ自動車労働会議)が結成した産業別組織。211単組101,226人を組織している。

9.労使紛争の状況

  • 近年の労使関係は比較的安定している。現在の政権の下では労働争議を起こすことが難しくなっているとの指摘もなされている。一方で、労使紛争の傾向は地域、工業団地等により異なり、活動家の介入等により個別には大きな労使紛争が生じる場合もある。

労働争議件数

(単位:件)

  2010 2011 2012 2013 2014 2015
争議件数 77 119 100 92 117 114
争議企業数 66 110 91 82 102 100
(ストライキ数) 2 6 6 7 3 1
(ロックアウト数) 1 8 6 4 5 5

資料出所:タイ労働省労働保護・福祉局(Department of Labour Protection and Welfare)

注:争議件数・争議企業数は労使交渉が決裂したと報告された件数・企業数であり、その後労働調停官による調停等でストライキ・ロックアウトがなく解決に至った場合を含んでいる。

10.最低賃金制度

最低賃金

  • 2013年1月から全地域で最低賃金を1日当たり300バーツとする、全国統一の最低賃金が導入されていたが、2017年1月以降は地域により300~310バーツと、地域別の最低賃金となる。
主な都県の日額最低賃金

(単位:バーツ)

都県 最低賃金 日経企業が入居する
工業団地
2011年
1月〜
2011年
4月〜
2013年
1月〜
2017年
1月〜
バンコク 215 300 300 310 ラッカバン、バンチャン
サムットプラカーン 215 300 300 310 バンプー、バンプリー
ノンタブリ 215 300 300 310  
パトゥムタニ 215 300 300 310 ナワナコン(パトゥムタニ)バンカディ
ナコンパトム 215 300 300 310  
サムットサコーン 215 300 300 310 サムットサコーン
プーケット 221 300 300 310  
チョンブリ 196 273 300 308 アマタナコン、ヘマラートチョンブリ、レムチャバン、ピントン
ザラブリ 193 269 300 308 SIL(サラブリ)
チャチュンサオ 193 269 300 308 ウェルグロー、ゲートウェーシティー
アユタヤ 190 265 300 308 ロジャナ、ハイテク、バンパイン、サハラタナナコン、ファクトリーランド
ラヨーン 189 264 300 308 イースタンシーボード、アマタシティ、ロジャナ(ラヨーン)ラヨーン、ヘマラートイースタンシーボード、ヘマラートイースタンマプタプット、マプタプット
ナコンラチャシマ 183 255 300 308 スラナリー、ナワナコン(ナコンラチャシマ)
プラチンブリー 183 255 300 308 304、カビンブリ
チェンマイ 180 251 300 308  
ランプーン 169 236 300 305 ノーザンリージョン
パヤオ 159 222 300 305  
シンブリ 176 246 300 300 インドラ

(出所)タイ労働省、タイ工業団地公社など

11.その他

JILAFの事業

  • 招へい事業:1989年より今日まで61人(男性40人、女性21人)の若手労組指導者を招へい(2016年度末現在)
  • 現地支援事業・教育セミナー
    1997年より現地セミナーを実施。テーマは、「労使関係(基礎、労働法等)」(97~11)「参加型の職場環境改善」(99~02、06)、「HIV/AIDS職場トレーナー育成セミナー」(08~11)、「参加型の労使関係・生産性(PROGRESS)」(12)、「労使関係・労働政策」(13~16)。
  • 現地支援事業・国際労使ネットワーク等を通じた組織化による草の根支援事業(SGRA)(11~16)