シンガポールの基本情報

面積 697平方キロ(CIA調査)
人口 5,781,728人 (July 2016 est.)(CIA調査)
首都 シンガポール
主要都市
主要言語 国語マレー語、公用語英語、中国語、タミル語
民族 中国系75%、マレー系14%、インド系9%
宗教 仏教、イスラム教、ヒンズー教、キリスト教
GDP 2,887億米ドル(2016、シンガポール統計局)
一人当りGDP 5万1,496米ドル(2016、シンガポール統計局)
労働力人口 317万人(2015年ILO)
産業別分布(%) サービス業67.9%、製造業17.8%、建設業4.8%(2015年、(公財)国際金融情報センター各国情報より)
IL0中核8条約要 批准6条約 未批准(87、111)
通貨 1シンガポール・ドル=約80円(2017年2月末)
政治体制 立憲共和制
国家元首 トニー・タン大統領
議会 一院制 87議席
行政府 リー・シェンロン首相、18省庁
主な産業 製造業、商業、金融サービス業
対日貿易 輸出2兆1546億円 輸入8109億円(2016年財務省「貿易統計」)
日本の投資 9655億円(財務省「国際収支統計」(平成28年))
日系企業数 1,116社(外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成28年要約版)
在留邦人数 36,963人(外務省「海外在留邦人数調査統計」(平成28年要約版)
気候 熱帯モンスーン気候。10~3月雨季
日本との時差 -1時間
社会労働情勢概要 ・金融業を中心に成長をつづけ、一人当りGDPは5万ドルを超え日本を上回る。しかし、リーマンショック以降は、欧州債務危機の影響、世界経済の停滞により、やや減速ぎみ。
・政治では、建国以来、人民行動党(PAP)が支配政党として与党を続け、政治の安定と経済の成長を維持。高度に管理的な社会を形成。ASEAN諸国との友好協力関係を基軸とした地域協力に努力。
・労働分野の課題は、青年対策、高齢化への対応、外国人労働問題など。
・課題解決に向け、政、労、使の三者構成主義が各施策で機能しており、労使が重要な役割を果たす。
・労働組合は、シンガポール全国労働組合会議(NTUC)が、唯一のナショナルセンター。
主な中央労働団体 シンガポール全国労働組合会議(NTUC: National Trade Union Congress)
労働行政 人材開発省(MOM:Ministry of Manpower)
中央使用者団体 シンガポール全国使用者連盟(SNEF:Singapore National Employers Federation)
最終更新日 2017年 6月 5日
主要統計
(GDP)
201120122013201420152016
GDP成長率 5.21.33.52.922.012.0
一人当りGDP(ドル) 51,23752,14152,91856,31952,88851,496
物価上昇率 (%) 5.24.63.81.03△0.52△0.5
失業率 (%) 2.02.82.91.951.902.1

1.国家としての成立過程(第二次大戦以降、現在まで)

事項
1948年 英領マラヤ連邦形成、主都となる
1954年 リー・クアンユー 人民行動党(PAP)結成
1958年 四言語の公用語化
1959年 自治政府発足、PAP政権
1960年代~ 欧米製造業の輸出加工基地化促進
1963年 マレーシア連邦成立に参加し、英国から独立
1964年 コミュニティ対策の市民諮問委員会設置
1965年 マレーシア連邦から分離し、今日のシンガポールを建国
1965年 ASEAN加盟(5つの原加盟国の一つ)
1980~90年代 東南アジアの金融センター化推進
1989年 APEC結成と同時に加盟
1990年 ゴーチョクトン首相就任
1995年 WTO設立と同時に加盟
1996年 WTO第1回閣僚会議を主宰
2004年 リーシェンロン首相就任
2004年 米国とのFTA締結
2000年代 国際金融市場として成長
2002年 日本とのFTA締結
2011年 5月 第11回総選挙、野党が過去最大議席(87議席中6議席)。
9月 トニー・タン第7代大統領 就任
2013年 EUとのFTA締結に合意、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)推進
2015年 総選挙で与党・人民行動党(PAP)が圧勝

2.国家統治機構

元首

  • 大統領(普通選挙で選出、任期6年)
  • 現職 トニー・タン第7代大統領 2011年9月就任

議会

  • 一院制、99議席。任期、原則5年。解散あり。
  • うち、87議席を選挙区投票。14選挙区の中規模選挙区+単純小選挙区(9人)+全国選挙区(1人)
  • このほか、憲法、重要法案への投票権を持たない有識者議員や別枠議員がある。
  • 議長 ハリマー・ヤコブ(PAP) 2013年1月より
  • 議席
    与党:人民行動党(PAP)
    2015年9月の総選挙において89議席中、83議席を獲得)
    野党:労働者党 6議席
    任期5年。ほかに、重要法案の投票権がない議員〔野党非選出議員3名、任命議員9名〕で構成。

行政

  • 首相:大統領に任命される。現在はリー・シェンロン(李顕龍)氏。2004年8月就任。初代首相、リー・クアンユーの長男。
  • 政府は首相府、18省庁ほかで構成。

司法

<裁判>
  • 最高裁判所、下級裁判所(The Subordinate Courts of Singapore)の二審制。最高裁判所には、高等法廷と上訴法廷があり、後者が事実上の最終上訴審。下級裁判所には、28の地区法廷と4の治安裁判官法廷のほか、検死官法廷、少年法廷などがある。
<検察と警察>
  • 通常の国より強い権限を持ち、捜査や対応も厳しい。スーパーでの万引きの初犯でも刑務所に入ることがある。日本では犯罪とされない行為でも有罪となるものがある。鞭打ち刑があり、日本でいう重罪のほか、公共物への落書きなどに適用されることがある。

3.政治体制

政体

  • 立憲共和制
  • 政治での実質的な最高権力者は首相。

主な政党

人民行動党
(PAP)
1954年に初代書記長、リー・クアンユーにより結成され、今日までシンガポールの支配政党である。これまで11回の総選挙のうち4回は議席を独占。高度成長、国民福祉の向上、管理社会の構築を主導。歴代書記長はいずれも国の首相となる。現議長:カウ・ブーン・ワン氏、書記長:リー・シェンロン氏。
労働者党
(WP)
1961年結成。低所得層を支持母体とする。ラウ・ティアキアン書記長。
シンガポール民主党
(SDP)
1980年登録。過去の総選挙で3議席獲得の経験を持つ。チー・スンジュアン書記長。
シンガポール人民党
(SPP)
1993年、SDPの離党者が結成。

4.人口動態

  • 高齢化が進行。65歳以上人口は10%近くに増加。2050年代には、60歳以上人口が4割を超えると予想されている(国連など)。政府は2017 年7 月から高年齢労働者の再雇用の上限年齢を65 歳から67 歳に引き上げることとした。
  • 15歳未満人口は21.9%から16.4%に減少。「児童育成共同貯蓄法」の改正によって、父親の育児休暇の取得日数が2 週間に拡大された。
  • 総人口の3割以上を外国人居留者が占めている。

5.産業構造と就業構造

主要産業

  • 実質GDP成長率に対する産業別の寄与度をみると、GDPの3分の2を占めるサービス産業のうち卸売・小売業(1.1%)と金融・保険業(0.7%)が製造業(-1.0%)、建設業(0.1%)と比べ経済成長に貢献した。

就業者数

  • 労働力人口は、2004年以降、毎年増加を続け、2015年は約317万人。労働力率は、2005年まで減少傾向にあったが、その後は上昇している。
  • 外国人労働力人口は、増加傾向が続いているが、伸びは鈍化している。2010 年以降、政府は外国人の雇用規制を段階的に強化しており、2017 年1 月から外国人の雇用許可(EP)の発給用件を厳格化した。2015年は約139万人であり、労働力人口に占める割合は約38%であった。

6.経済状況

経済情勢

  • 中国経済の減速に加え、サービス業主導による米国経済の成長、中国及び米国における国内調達の傾向によりシンガポールや東南アジアの近隣諸国にとっての外的需要の伸びは低くなっている。
     国内を見ると金融・保険業、卸売業等の業種が成長を支える一方、製造業は引き続き低迷している。

所得の動向等

  • 国内総生産は2,927億米ドル。日本の4.4%。インドネシアの30.6%、マレーシアの90.2%。
  • 一人当りGDPは、2010年に日本を抜き、5万ドル台。特定の産油国などを除きアジアでは最高額。

7.支援組織、国際産業別労組(GUFs)の活動

現地事務所設置

  • 支援団体、GUFsのいくつかが、ASEANあるいはアジア統括事務所を設置している。

ITUC-AP(国際労働組合総連合会アジア太平洋地域組織)本部事務所

  • シンガポールにはITUC-APの本部事務局が置かれている。書記長は連合参与の吉田昌哉氏。JILAFは業務の推進にあたり、ITUC-APとの連携を進めている。
  • ITUC-APは、毎年、アジア太平洋地域の労働組合支援組織の会合(TUSSO)を開催しており、JILAFはこれに参加し、連携と情報交換を推進している。

8.組合活動

ナショナルセンター

  • 全国労働組合会議(National Trades Union Congress:NTUC)が、1964年登録された唯一のナショナルセンターである。2015年の労働組合数は、64組合であった。また、2015年の労働組合員数は約72万人で増加傾向にある。推定組織率は、ここ数年増加傾向にあり、2015年の組織率は20.4%となった。

産業別の状況

  • NTUC加盟組織は60産別+1協議会
    (主要産別業種)①電機・電子、②商業、③銀行・保険、 ④公務、⑤看護、⑥運輸、⑦教員、⑧海運

9.労使紛争の状況

  • ストライキを含む労働争議を行うに当たっては、労働組合員の過半数の同意を得る必要があるほか、労働争議法により、以下の労働争議は違法である。
    ①労働争議に加わっている労働者が従事している商業又は産業(trade or industry)における労働争議よりほかに何らかの目的を持っている場合
    ②労働仲裁裁判所が管轄する労働争議
    ③直接的に又は社会に困難を与えることにより、政府に圧力をかけることが意図又は計画されているもの。
  • 1987年以降、合法、非合法を含め26年間ストライキの発生なし。賃金・労働条件に関する個別的労使紛争は、2014年は106 件、2015年は119件と2012年をピークに減少傾向にある。

10.最低賃金制度と労働・社会保障法制

最低賃金

  • 一般的な最低賃金制度は設けられておらず、賃金は労使の交渉と合意により決定される。
     毎年の賃金水準については、政労使からなる全国賃金評議会が毎年6月に賃金関連のガイドラインを策定し、これを踏まえて労使交渉が行われるのが通例である。2016/2017年度(2016年7月1日~ 2017年6月30日)のNWC ガイドラインは、月給1,100Sドル以下の低所得労働者について50 ~ 65Sドルの賃上げを勧告(具体的な数値目標を設定したのは2012年以降5年連続)した。

労働・社会保障法制

  • シンガポールの労使関係のキーワードとなるのは“Tripartitism”すなわち政府、労働組合、使用者の3者構成主義、3者の協調である。労働組合も国際競争力の維持及び労働者の能力向上の重要性を認識し、外資導入に賛成し、生産性向上には協力する姿勢を取っている。そういったなかで労働法は会社側に有利に設計されている。
    「シンガポール雇用法」(日本の労働基準法に相当(http://www.jilaf.or.jp/asia_laborlaw/data/singapore_001.pdf
  • 主な社会保障法制は「中央積立基金法」、「年金法」、「年金基金法」などがある。

11.その他

JILAFの事業

  • アジアの労働条件を改善し、日本の雇用安定に資するため、シンガポールにおいて、ITUC-AP(ITUCアジア太平洋地域組織)との共催で、加盟組織の青年リーダーを対象とする「ユースリーダーシップコース」を、シンガポールのオンテンチョン研究所(シンガポール労働組合会議(NTUC)系の研究・教育団体)の後援も受け実施している。これまでに25回実施。
  • 招へい事業では、アセアンチーム、全アジアチーム、アジア英語チームなどの参加者として、これまでに17人(男性13人、女性4人)の労働組合指導者を招へいした(2016年度末現在)。